手に取った瞬間 ほんとの喜びを(2)

2／72

■読書ボランティア「まほうのかばん」
◇読書の喜びを子どもたちに届けたい
「おはようございまーす。」
朝読をするために小学校の教室に入ると、「おはようございます!」と元気な声が返ってきます。始業前の時間。ざわざわしている子どもたちは、「まほうのかばん」の読み聞かせが始まると、ピタッと話を止めて、真剣な眼差しになります。
「目をキラキラ輝かせながら聞いている子どもたちの姿を見るのが何よりも嬉しいですね。」
平成7年に結成してから、間もなく29年。その間、小学校での朝読、昼のお話会、こどもの森でのお話会、あいあいセンターでの健診の時のお話会など、幅広い年代の子どもたちとふれあってきました。読み聞かせの前にはメンバーが本を持ち寄り意見を出し合ったり、会場の広さ、子どもたちの年齢や季節を考慮したりしています。また、お話会が終わった後も良かった点、改善する必要がある点を必ず確認し合う。このような目に見えない準備が、長年にわたって読み聞かせで多くの子どもたちを魅了しているのでしょう。
「子どもたちのおかげで成長できる。」と語るまほうのかばんのみなさん。「大人と違って話し方や話がつまらないとソッポを向かれてしまいます。子どもは正直です。心に届く語りをするには、作品を読み込み練習。おかげで自分たちが成長できるんです。」毎回新しい発見があると話してくれるメンバーのみなさん。
「今後は中学校や高齢者の方々にも関わっていけるよう努力していきたい。そして、『心の宝石』になるような本の世界を届けていきたいです。」と語るまほうのかばんのみなさん。
これからも本の魅力や読書の楽しさをたくさんの人に伝えてください。

■読書ボランティア「とんからりん文庫」
◇言葉で育む子どものこころ
「はじまるよったらはじまるよ♪はじまるよったらはじまるよ♪」いつもの手遊びと歌で始まるとんからりん文庫のお話会。子育て支援センターの遊戯室には多くの子どもとお母さんがお話会を楽しみにしながら待っています。お話会の間、静かに聞いている子どもたち。ただ、年齢が低いので、たまに歩き回る子どももいます。そんなときは、優しくだっこしてあげます。すると、子どもも安心したように静かに話を聞きはじめます。
また、健診のときは受付に並ぶ保護者一人ひとりに「この本見てください」と丁寧に渡し、待合スペースで座って、絵本を眺めている親子を見かけたら、「この本はね、赤ちゃんのときに読む本なのよ」と説明し、即興の読み聞かせも始まります。
代表の土屋さんは「歩いていけるところに図書館があったらいいな」という思いで「とんからりん文庫」を作って12年。今では、子どもも大人も訪れる本すきな人たちの憩いの場となっています。
本がすきだからこそ、一人ひとりの子どもや保護者に優しく接するメンバー。「絵本も人間と一緒で一期一会です。主役は絵本と子どもということを意識して、大人と子どもが幸せな時間を共有できたらいいなと思いますね。私たちがこの活動を続けられるのは、子どもやパパ・ママの笑顔が見れるから!」と語るメンバーの2人。地域に根付いた愛情が子どもたちと読書を支えています。
「私の夢は、図書館建設の風が吹いて、もっと吉富町に本を好きな人が増えてほしい」と語ってくれた土屋さん。これからも読書を通し成長していく子ども達を見守り続けてください。

◇ちびっこあつまれ!
「絵本の広場」開催します!
日時：10月28日(土)10：30～15：30
場所：吉富町武道館
定番の絵本やおすすめの絵本など、たくさんの本を展示します。絵本の読み聞かせもあり、みんなで楽しい時間を過ごせますので、皆さんぜひご参加ください。

■図書室を居心地の良い場所に
小学校図書館司書　林田浩美(はやしだひろみ)先生
小学校の図書室はいつでも司書がいて、授業や子どものサポートができる状態にしています。地域の読書ボランティアのみなさんの協力もあり、読書好きな子どもたちが着実に増えています。これからも読書環境を整えて、子どもたちにいつも読書の安らぎを与えられるオアシスのような居場所にしていきます。

■生徒たちに読書の喜びを
中学校図書館司書　吉永香菜(よしながかな)先生
中学校は、学習図書委員会が発足した影響が大きく、また、小学校からの読書活動のおかげもあって、昼休みに図書室に来る生徒が格段に増えました!!年間の貸し出し冊数も、早くも昨年度に迫る勢いです。
中学生は多感な時期で、この時期に出合う本が大切になってきますので、これからも生徒たちに寄り添える本を紹介し、おすすめしていきたいですね。