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自治体の皆さまへ

喜多方ラーメン~守り、つないでいく(2)~

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福島県喜多方市

■先人たちの想いをつなぐ-
先人たちが築き上げてきた喜多方ラーメンを“守りたい”、“もっと盛り上げたい”。
その想いを胸に日々奔走する方々に、これからの喜多方ラーメンがどうなってほしいか、将来に期待することをインタビューしました。

●[Interview]会津喜多方商工会議所
喜多方ラーメンブランドプロジェクト(RBP)リーダー 曽我高志さん
「株式会社曽我製麺」の代表取締役。こだわりの熟成麺を提供し、創業から50年以上に渡って愛されている。令和4年4月に喜多方ラーメンブランドプロジェクトのリーダーに就任。

「守りたい〝文化(ラーメン)〞がある」
▽喜多方ラーメンブランドプロジェクト
喜多方ラーメンブランドプロジェクトは、市内のラーメン店が減少してきている現状に、「何とかしなければいけない」、そう思い、会津喜多方商工会議所とともに、ラーメン店や製麺会社などと立ち上げたのが始まりです。
まず、現状を知るためにラーメンを提供している飲食店の調査などを行いました。また、ラーメン店の事業継承と新規出店のサポート体制を学ぶため、栃木県佐野市の『佐野らーめん予備校』を視察しました。これが衝撃でしたね。「ここまでするのか!」と。そこでは、希望に合った店舗物件の紹介や、現役の佐野ラーメン店主たちが知識と作り方を新規出店者に教えるなど、官民連携がとてもよく取れていました。これは喜多方でもやっていきたいと思いましたね。同じ方法ではなく、喜多方に合った方法を考える必要があります。プロジェクトを通じて、ラーメン店の事業継承や新規出店をフォローする体制を市全体でできるようにすることが目的です。8月からは喜多方ラーメン担当の地域おこし協力隊が着任予定なので、どうなっていくのか今後が楽しみです。

▽昔から身近だったラーメンの存在
昔は、客人へのおもてなしはラーメンが多かったです。また、夜から仕事をして朝にラーメン、早朝に野球をした後にラーメン、それほど市民とのつながりは深く、いつも隣にはラーメンがありました。今も朝からラーメンを食べる『朝ラー』文化が受け継がれています。魅力を後の世代につないでいくこともプロジェクトでやらなければならない。ラーメン店だけではなく、さまざまな関係者が盛り上がることを期待しています。楽しみを持たせる観光、「行ってみたいね喜多方」そう言われるようにしていきたいです。

●[Interview]協同組合 蔵のまち喜多方老麺会
8代目代表理事 花見拓さん
「来夢喜多方本店」の2代目社長。長年愛されてきた味を守り、創業からこだわり続けてきた技と心でおもてなししている。

「世代をつなぐ架け橋に」
▽おいしさの決め手は水
喜多方ラーメンの基本的な特徴はありますが、お店ごとに違う味で、どこもおいしいところが魅力ですね。絶対に欠かせない要素は、〝水〞です。喜多方の水がおいしいというのは、私が小学生の時からずっと言われ続けてきたことですし、今もそう思っています。超軟水で出汁がしっかりと溶け込むので、市外の他の店舗でスープを作ったときに違いを感じます。
他のお店でラーメンを食べたときに、当店の常連さんに会うことがあるので、地元の人は毎日、いろいろなお店を回ってラーメンを食べているんだなと思いました。それだけ日常にラーメンが溶け込んでいるから、地元のお客さんに助けられていると感じますし、他のお店の皆さんもそう思っているのではないですかね。観光客が多いといっても、時期的なところもあるので、地元の皆さんの支えは大きいです。

▽受け継がれた精神
私が先代から店を引き継いだのは、5年前です。先代は、若いうちから経営をやった方が良いと考えていたようで、私も同じ考えを持っていました。先代の時から大切にしていることは、他でやらないことをチャンスと捉え、チャレンジすることです。喜多方は朝ラーが人気ですが、夜遅くまで営業する店舗は少なかったので、「ここがチャンスだ」と考え、夜の営業を行っていくことにしました。さらに、他ではあまりやっていない年中無休の営業や、ペットと一緒に来店できるようにテラス席を設けるなど取り組んできました。
店の営業以外に、市内のラーメン店で組織する団体の『協同組合蔵のまち喜多方老麺会』の代表理事を務めています。人を呼ぶ流れを作るために、市外の方はもちろん、地元のお客さまにも満足してもらえるような取り組みが必要です。特に、若い層に対していろいろなアピールをして、やってみよう精神で取り組んでいかなければなりません。喜多方ラーメンを食べたお子さんや若い方々が、成長して全国へ行ったときに、喜多方ラーメンの魅力を宣伝して、今度は喜多方に来てもらう流れを作りたいです。ラーメン屋さんをやりたくて職場体験に訪れる中高生もいます。その時に、ラーメンの歴史や可能性、やりがいを少しでも感じて、将来やりたいと思ってもらえるように頑張っていきたいです。

◆のぞいてきました麺づくり
(1)麺のコシを無くさないよう、薄く圧延する。
(2)ちぢれ麺の形にカットします。
カットした麺を手もみすると…
ちぢれの大きさや間隔がばらばらになり、絶妙な食感に!

◆スポーツをした後-帰省したとき-仕事前や終わった後-“ラーメン食べに行くか!”
いつも身近にラーメンがありました。全国的なブランドへと確立するまでには、さまざまな苦労や困難があったと思います。担い手の不足・高齢化、社会情勢の変化など先が読めない時代、先人たちが築き守ってきた喜多方ラーメンを、今度は自分たちが守り、盛り上げていく熱い想いがありました。
喜多方ラーメンの歴史はもうすぐ100年になります。私たちの隣にはラーメンがある、その先100年もそんな愛される存在でありますように。

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