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町長日記抄

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秋田県井川町

齋藤多聞

県内に大きな被害をもたらした記録的大雨から2週間が経ったが、特に被害の大きかった秋田市では未だに被害状況の全容が掴めていないし、五城目町では断水の影響もあってか思うように片付けが進んでいない場所も見られる。こうした状況を目にすると、いかに被害が深刻なのかを痛感すると同時に、地理的には五城目町と秋田市の間に位置する当町の被害は、もっと大きくてもおかしくなかったと思わずにはいられない。町内外の様々な方と話していると、「これまで見たことのない光景が広がっていた」、「頭では分かっていたけれど、あれほど早く水かさが増えると思わなかった」と言った声が多く、危機が迫ってからでは、対応する時間も精神的にも余裕がなく、万が一の準備や避難は大事だと認識を改められた方も多数おられるようだ。
これまでの水害は、ゲリラ豪雨による短時間での急激な増水が中心であったが、今回は、断続的な長雨による排水機能への影響が大きく、被害の拡大に繋がった。浸水想定と大きく異なることはないだろうが、浸水する順番や範囲は検証しなければならない。排水処理能力を大きく改善するには一朝一夕には行かないため、今回の教訓をどう活かしていくかを行政だけでなく、住民と共有し、地域として今後の対策を練っていくことが必要だ。
災害時の情報伝達も大きな課題。行政が情報を出すタイミングが重要なのは言うまでもないが、手段によってタイムラグが生じることや年齢層による情報収集の差があることは事実。実際には災害情報をマスコミ等に配信するLアラート、エリアメール、有線放送(当町では)、HP、SNS、広報車といった方法になるが、それぞれに一長一短がある。関係機関や全ての住民を対象とする情報伝達には意外と人員や時間がかかっており、行政としても更なる知恵を絞らなければならないが、住民一人ひとりが主体的に情報収集し、その上で行動することが求められる。
今回のような大雨は、今後も必ず起こり、更なる雨量となることを認識する必要がある。加えて電気や上下水道といった生活インフラもいつ止まるかわからない。今回の災害を契機に普段からの備えを今一度見直したい。

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