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自治体の皆さまへ

【特集】「備え」考えてる? (2)

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茨城県守谷市

■水・食料などの備え
消防隊員の方にお話を伺いました!
常総広域守谷消防署 統括司令 風見晶一(かざみしょういち)さん

◇備えは最低3日分を
まず大切なのは、飲料水の備え。1日1人3リットルを、最低でも3日分は必ず用意しておいてください。
なぜ3日分なのか? 災害対応には、自分たちの身を守る「自助」、地域で助け合う「共助」、行政などによる「公助」という3つがあります。同時多発的に被害が発生してしまうと、どうしても私たち消防などによる「公助」の到達まで3日間程度かかってしう可能性があるためです。
そこで、3日分の備えをして、まず自分の命を自分で守ってください。そして、次に周りの人、近所の人を助けてほしいと思います。

◇鬼怒川決壊での救助
10年前に発生した、大雨による鬼怒川の決壊。当時水海道消防署にいた私も、現場へ救助に行きました。その際も、市から避難指示は出ていましたが、「自分のところまではまず来ないだろう」と避難していない方が多くいらっしゃいました。しかし、いざ決壊すると、あっという間に1階部分の大半が浸水してしまった地域がありました。
*緊急消防援助隊を要請し、関東各地から迅速に救助応援に駆けつけてくれたので、ほとんどの方は時間をかけずに救助できましたが、最後の人を救出完了するまで72時間程度かかってしまいました。
この「3日分」を、一つの目安にしていただきたいと思います。
*被災地の要請を受けて応援に駆けつける応援隊。

◇家計に優しいローリングストック法
今、物価も高くなっており、非常時のためだけに用意するのは難しいこともあります。そこで、日常生活の中で揃えていく「ローリングストック法」をおすすめしています。日常から消費するもので、賞味期限が長いものを買っておいて、期限が近づいてきたら、消費し、補っていくという方法です。非常食としては、子どもや高齢者も食べやすい「ゼリー飲料」などをおすすめしています。

◇意外なものが不足!?
また、大規模災害で、電気・ガス・水道などのライフラインが止まった時のために「懐中電灯」、「カセットコンロ」、「非常用のトイレ」や「紙おむつ」なども準備しておくとよいでしょう。
一昨年、熱海の土砂災害に緊急消防援助隊として出動しましたが、その時に「粉ミルク」と「生理用品」、「常備薬」が手に入りづらかったと聞きました。

●避難のときの携行品リスト
・携帯電話・充電器・モバイルバッテリー
・スプーン・箸
・懐中電灯・ラジオ・予備電池
・現金・貴重品(身分証明など)
・常備薬・お薬手帳
・コンタクトレンズ(保存液)・眼鏡
・洗面用具・タオル
・ウエットティッシュ
・筆記用具
・水・非常食(おやつなど)
・使い捨てカイロ・瞬間冷却剤アイマスク・耳栓

●さらに安心! ちょい足し携行品
[女性]
・化粧品(普段使いのもの)
・生理用品(必要数)

[赤ちゃん]
・紙おむつ(必要数)
・おしりふき
・粉ミルク・離乳食
・おもちゃ

[高齢者]
・大人用おむつ(必要数)
・入歯洗浄剤
・老眼鏡

■地域での備え
◇自主防災組織、増加中!
大規模災害が起きたとき、まず頼りになるのは「共助」と呼ばれる、同じ地域に住む人同士の助け合いです。自主防災組織とは、共助を目的に市民自身が作る組織です。
守谷市でも、自治会が中心となって多くの地域で自主防災組織が結成されています。

・阪神・淡路大震災における救助の主体と救出者数
出典:平成28年版防災白書特集「未来の防災」

・守谷市内で自主防災組織を立ち上げている自治会(令和5年3月時点)
121/158団体

◇日頃のつながりが大切
自治会会長にインタビュー!
・下ケ戸町内会 会長 並木義明(なみきよしあき)さん
・顧問 髙木保(たかぎたもつ)さん

いざというときに「共助」を発揮するためには、日頃から地域とのつながりを持っておくことが大切だと思います。
下ケ戸町内会では、7月に子どもから大人まで楽しめる、お祭りを開催しました。このような「楽しむ」機会をきっかけに、お互いの顔や名前などを知り、コミュニケーションが生まれます。そうすると、「じゃあ次は防災訓練にぜひ参加してください」と呼びかけたとき、皆さんも「参加してみようかな」と思ってくれるようになります。
町内会での防災訓練は、9月に発災対応型訓練、発災を11月に初期消火訓練と、年2回開催しています。9月の訓練は、発災を11時に想定し、班長は自分の班の模擬被害状況の確認と報告、班員は防災倉庫の前に集合して安否確認を行い、計100人以上が集合します。
その際、班長は、「火事になっている」とか、「塀が壊れている」などの模擬被害状況を見つけて本部に報告します。また、班員の皆さんから、消火班、救助班、救急班と役割をその場で何人かランダムに指名し、訓練に参加してもらいます。町内会には、消防署OBの方もいますので、そういう方の指導も受けながら、竹材と毛布で手製の担架を作り、けが人役を運ぶ訓練もしています。防災だけに力を入れるのではなく、日頃の絆があれば、一番肝心な時に役立つのではないかと思います。

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