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自治体の皆さまへ

健康一口メモ 443号

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長崎県波佐見町

◆血液透析について
波佐見病院 内科 川﨑千之

今回は「血液透析」について解説いたします。
「透析」という言葉を聞かれたことがある方は多いと思います。「透析」は腎臓が病気などで働かなくなったときに、その代わりをするものです。いわば人工臓器の腎臓版ということになります。
人工臓器については心臓や肺や肝臓などいろいろ研究されて、実用化されているものもありますが、機能面や耐久性などの課題が完全に解決されておらず、一般的な治療の手段としてはまだほど遠いというのが現状です。また、iPS細胞といった多能性幹細胞を用いた臓器再生の実用化もまだ将来の話になると思われます。従って、「透析」はとてもよく実用化され広く普及した人工臓器、ということができるでしょう。
「透析」には「血液透析」と「腹膜透析」という2種類の方法があります。現在日本で「透析」を受けておられる患者さんはおよそ35万人ですが、そのうち純粋に「腹膜透析」だけの方は8000人ほどですので、「透析」といえばほぼ「血液透析」を指すことになります。
さて、「透析」が肩代わりする腎臓の働きですが、腎臓は大きく2つの仕事をしています。
一つは「老廃物を尿として体外に排出する働き」です。老廃物には体にとって悪い働きをするものもあるため、排出されないと食事がとれなくなったり意識障害が生じたりして放置すれば生命に危険を及ぼす事態となります。
二つ目は「余分な水分を尿として体外に排出する働き」です。余分な水分が出ていかないと心臓や肺に水が溜まって身体がむくんだり呼吸困難になったりしてこれも悪化すれば生命に危険が及びます。他にも血液を作るホルモンを作ったり、血圧の調節をしたりなどがあります。
これら腎臓の働きのうち老廃物と余分な水分を取り除いて血液を「浄化」する働きを腎臓の代わりに行うのが「透析」療法です。
週三回、数時間の「透析」を受けるのは患者さんにとって大変な負担ですが、そうした患者さんの身体的負担を軽減するために、機材や薬剤の進歩を受けて、より苦痛の少ない透析医療となるよう医療の側も改善を続けています。

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