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[特集]平和への思いを次世代がつなぐ(2)

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長崎県長崎市

■朗読で被爆体験を語り継ぐ
永遠の会Uー(アンダー)25
渡邊 紗羽さん

「被爆体験を語り継ぐ 永遠(とわ)の会」は今年度、高校生から25歳を対象にした若者朗読サポーター永遠の会Uー25を新設。その初めてのメンバーの一人として加入した渡邊さんは大学1年生です。
渡邊さんが平和活動をしようと思ったきっかけは、小学校の6年間で行った平和学習でした。中学生では平和部に入り、部員同士で平和について考え、新聞を作ったり、集会を開いたりしながら平和を発信することへの責任感を感じていったそうです。
高校進学後は放送部に入部。顧問の先生から永遠の会の募集を聞き、放送部としての経験も生かせると考えて応募し、加入しました。
渡邊さんは、被爆体験記から被爆者の思いを読み取り、自分が思ったことを思い出しながら朗読をしたいそうです。聞いた人が当時のことを想像し、平和や原爆の恐ろしさなどさまざまな思いを持つきっかけになるような朗読ができるようになりたいと語りました。

◇永遠の会Uー25
岩永 陽美さん

永遠の会Uー25のもう一人のメンバーは高校2年生の岩永さん。アナウンスを専門に部活動を行っています。
岩永さんが永遠の会に入ったのは、放送部の顧問の先生から若者朗読サポーターの募集を聞いたことからでした。それに加え、ピースボランティアとして活動している同級生を放送部で取材し、平和活動を自主的に行っている存在を身近に感じていたことも加入への思いを後押ししました。
自分たちが被爆者から直接話を聞ける最後の世代であり、被爆者のかたたちの思いなどを次の世代に伝えていけたらと思っているそうです。
今後は、被爆体験記を書いたかたの気持ちをできるだけ理解し、それをしっかり伝えるために練習していきたいと話していました。

二人は8月26日(土)午後1時30分から長崎原爆資料館で行われる「『ナガサキの郵便配達』朗読と音楽で紡ぐ平和への想(おも)い」で朗読を行います。
永遠の会Uー25のメンバーを随時募集しています。詳しくは同事務局(【電話】814・0055)へ問い合わせを。

■被爆体験講話者
三瀬 清一朗さん

自身の被爆体験を伝えている三瀬さん。三瀬さんは小学校5年生の時に矢の平町で被爆。家族8人は全員無事でしたが、爆心地から約200メートルに居た、いとことその家族7人が爆死しました。
三瀬さんが講話を始めたきっかけは、平成26年に、国際交流を目的として行われている船旅″ピースボート″に参加したことでした。その時に訪れたベネズエラで現地の中学生くらいの子どもたちと交流し、「日本を知っていますか」と尋ねました。その子どもたちは、日本がどこにあるか分からなかったそうです。日本を知らないということは、長崎や広島に原爆が落とされたことも、もちろん知りません。そのことから三瀬さんは「世界にはこのように原爆の恐ろしさを知らない人がたくさんいるに違いない、それは大変なことだ」と思ったそうです。
「被爆者の自分が、原爆や戦争がいかに恐ろしいものかを伝えていかないといけない」と平成27年から講話者として活動を行っています。
原爆投下から78年が経ち、戦争を知らない世代が増えていき、被爆者の平均年齢が85歳を超え、三瀬さん自身も88歳になった今、被爆の実相や戦争の悲惨さを語る被爆者がいなくなる時が心配だと話します。
しかし、そんな中で、家族・交流証言者や「被爆体験を語り継ぐ永遠の会」などさまざまなかたちで被爆者ではない人が、被爆者たちの体験を伝える受け皿を作ってくれていることが大変ありがたいと言っていました。また、若い人たちが平和活動を行ってくれていることもうれしいそうです。三瀬さんの被爆体験を引き継いでくれるかたもいて、今そのかたに引き継ぐ準備もしているそう。
今後、そういった活動をする人に、原爆や戦争の恐ろしさ、平和の尊さ、被爆者の思いをしっかり伝え、次世代につないでいってほしいと話します。
戦争は、人の命が物のように扱われてしまうもの。そんな悲劇を繰り返さないために、お互いの話しを聞き、思いを汲み取るコミュニケーションが大切です。穏やかな日常生活を続けられることが平和、その大切さを伝えていってほしいと話していました。

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