記録的な暑さだった夏もお彼岸の頃ようやく落ち着いた。天候に左右されやすい紅葉や、秋の食物は期待できないと思っていたら「ハナイグチ」がどっさり届き、秋の恵みを堪能した。自然の物は食べるまでに手間がかかる。季節の行事、食べ物をまとめた「小海の郷土食」(食ネット小海出版)の冊子には・春夏秋冬の行事食・季節の食材の下処理、保存法、使い方・料理レシピがのっている。家庭や地域毎で差があったり、今では作ることがなくなったものなど、季節の行事や食べ物を大切にする先人達の知恵をまとめた小海の食文化が載っている。
東京・上野国立科学博物館では特別展「和食」─日本の自然人々の知恵─が二◯二四年二月二十五日まで開催されている。和食はユネスコ無形文化遺産に登録されて今年で十年になる。「食」は毎日の健康の土台であり、エネルギーや栄養を補うものだけでなく、人の記憶や生き方にも関わって人生を豊かにしてくれている。
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