昨年十一月に小海大橋の橋梁補修工事が行われた。この橋は千曲川をはさみ国道と駅を結ぶ主要道路のひとつ。そこが一ヶ月近く通行止めになれば不便を感じる。通行止と言っても徒歩で渡る事はできたが車で通れないのは思いのほか大変だ。思えば私が中学校に通う寸前にできた橋。中学校に登校するだけでも大回りをしなければいけない時代を考えればこの橋のありがたみが身に染みる。「そこにある」が当たり前になっているから「使えない」がその大事さに気づかされる。あるとき、この町の古い写真を見る機会があった。洞門が岩肌に穴を開けただけのモノ、田畑が限りなく広がるモノなど様々。それが整備され今の環境に整えられた。あれだけの不便が沢山の便利に変わっていった。それだけこの町の人達が積み重ねてきた証なのだ。年月が過ぎれば世代も変わる。こうして繋がれる便利がこれからも積み重なって我が町を創っていくのだろう。
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