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〔特集〕「農」と歩む〜未来を担う若手農業者の思い〜(3)

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長野県高森町

■02 高野(こうの)祥太(しょうた)さん(32)
平成3年、高森町山吹生まれ。下伊那農業高校卒業後、長野県農業大学校南信農業実科へ進学。梨栽培について2年間学び、教員の助手として1年間働いたのち23歳で就農。冬期はスノーボードのインストラクターもつとめ、革細工、鉄細工、キャンプ、海釣り、ナマズ釣りなど趣味も多彩。一児の父。

◇育てる喜びと達成感「農業は楽しいです!」
山吹で果樹専業農家を営む「高野農園」の次男として生まれた高野祥太さんは、23歳のときに就農。両親が広げてきた梨、桃、市田柿の栽培に加え「新たなことに挑戦したい」とブドウ栽培も始めました。また、果樹園の除草にロボット草刈機を導入して省力化を図るなどスマート農業にも取り組んでいます。

―これがロボット草刈機ですか。一生懸命動いていて愛着がわきますね。園内もとてもきれいで感動しました!
このロボットは「ハスクバーナ」というメーカーのもので、2年前から導入しています。動きはお掃除ロボットと似ていて、ワイヤーで囲んだ範囲内を自動で走行して除草してくれる仕組みです。機械ですから暑い日も寒い日も、寝ている間も変わらずしっかり動いてくれますし、畑が常にきれいな状態なので働いていても気持ちがいいですね。

―導入のきっかけは?
家族でアウトレットモールへ行った際、中庭をとてもキレイに草刈りしているロボットを見て「これいいな」と思って。実は僕、鼻炎持ちで草刈りをするとその直後からものすごく辛かったんですよね。畑の環境を守るためにも草刈りは大切な作業ですが、収入には直結しない仕事。ならば自動化して、その分、技術的な仕事に取り組める時間を増やせたらと考えました。

―いま何台導入していますか?
今年ホンダのロボットも含めて新たに2台追加し、計3台でうちの全圃場の半分の草刈りをまかなっています。自動化したことで1カ月におよそ2日分の時間が浮きました。電気の通っていない圃場には、自力でソーラーパネルも設置したので電気代もかかりませんし、導入して本当によかったです。両親も今は元気に働いていますが、体の負担を減らせるならそれに越したことはありません。長く農業を続けるために今後も、良い技術は取り入れていきたいです。

―祥太さんが農家になろうと決めたのはいつですか?
明確にいつから、という記憶はありませんが、昔から畑で遊ぶのが好きで、生き生きと働く両親の姿を見て自然と「自分の進む道は農業だな」と考えるようになっていました。こだわりを持って果樹栽培に取り組む父の背中も見てきましたし、母も農業の傍らでニワトリを飼ったり、パンやお菓子を作ったりしながらいつも楽しそうに暮らしていて。ネガティブな話を一切聞いたことがなかったんですよね。

ー高校卒業後、農業大学にも通ったそうですね。学びの中で得られたものは?
土のこと、病害虫のこと、栽培技術に関することなど、家で働いているだけではわからないさまざまなことを教えてもらいました。品種の育成中でまだ世に出ていない梨を見たり、食べたりできたのもいい経験でしたね。最近出た「天空のしずく」や「サザンスイート」などの品種は、まさにそのころ研究されていたものです。2年ほど前には在校生がうちの畑へ見学に来て卒業生として話をさせてもらったり、今でもうちから市田柿を買ってくれる先生がいたりと、人との出会いも財産になっています。

―大変なことは?
まずは天候に左右されること。台風で風が吹けば梨は落ちてしまうし、春先、花が咲いた時に霜が下りれば雌しべが死んで果実にならない。来るものは仕方ないですが、自分自身「できる限りのことはやった」と思えるよう圃場の周囲に防風ネットを張り巡らしたり、温度を下げないよう火を焚いたりと可能な限りの対策をしています。あとは、体調を崩してしまうと代わりがいないこと。仕事が止まれば品質の低下にもつながってしまうので早寝早起きを心がけて体調管理には気をつけています。

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