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お茶の未来創造 Vol.8

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静岡県掛川市

■なぜ深蒸し茶なのか
「掛川市の特産品は」と問われれば、真っ先に思い浮かぶのは「深蒸し掛川茶」でしょう。緑茶にはさまざまな種類があります。浅蒸し煎茶、玉露、抹茶、釜入り茶などなど。では、なぜ深蒸し煎茶なのかについて少しさかのぼってみましょう。

○深蒸し煎茶ができたのは約60年前
掛川がお茶の産地として発展し始めたのは、江戸時代後期からです。時代が下るごとに生産は拡大しましたが、掛川のお茶にはある問題がありました。掛川は温暖な気候の上、日照時間も長く、お茶の栽培に適した地域です。しかし、お茶の葉は、日光を多く浴びることによって、「カテキン」が多く含まれることになります。このカテキンは体によい成分ですが、苦味の原因であり、以前の掛川のお茶は、味の面であまり評価されていなかったと言われます。
そこで、茶業関係者が一念発起し、カテキンの多いお茶をおいしく飲める方法を研究し始めました。さまざまな試行錯誤を行い荒茶製造の最初の行程である「蒸し」の時間を、通常より約2倍長くする製法をあみだしました。
長く蒸すことによって、茶葉の組織が崩れ、苦味が抑えられることになり、まろやかな味となりました。この製法が生まれたのは、ほんの60年前のことです。以降、掛川の生産者は、互いに切磋琢磨(せっさたくま)し、全国茶品評会で毎回上位を占め、日本一の深蒸し煎茶の産地として他の追随を許さない地位を獲得しました。

○温故知新で未来を切り開く
先人の努力とチャレンジ精神により、発展した茶産地「掛川」。
今、先人の例を学び、新たな挑戦に挑むことが厳しい茶業を克服し、未来を切り開く鍵となるでしょう。

問合せ:お茶振興課
【電話】21-1216

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