《特集》知らせてほしい、心のSOS。9月10日(日)から16日(土)は自殺予防週間です

6／21

子ども(18歳以下)の自殺は、学校の長期休暇明けから増加する傾向があります。子どもを取り巻く人々がみんなで見守り、一人で悩まず打ち明けられる人、場所、方法があることを知ってほしい……

◆令和4年の小中高生の自殺者数は過去最多
厚生労働省が発表した自殺者数は全体では減少傾向ですが、若年層は横ばいで、10代前半の死因のトップは自殺です。また、令和4年の小中高生の自殺者数は、過去最多の514人でした。

自殺未遂者は、少なく見積もっても自殺者の10倍はいると考えられています。
(出典：厚生労働省ホームページ)

◆何が自殺と関係しているのか
○こころの病気など
多くの自殺はこころの病気が関係しているとされています(特に高校生以上の年代にあてはまります)。こころの病気にかかると、将来に対して悲観的になったり、また視野が狭くなって解決のいろいろな可能性が目に入らなくなったりするので、「もう自殺するしかない」と思い込んでしまうことがあります。
↓
異常に早期に気づき、治療を受けたり周囲が理解したりすることで、状況が改善する可能性があります。

○援助や支援を受けにくい
自殺に至る人は、さまざまな理由から周囲の援助を受けにくい状況です。そのため、一人で思い悩み、孤立感を深め、ついには自殺を図ることがあります。
周囲の人に援助を受けにくい例：
・家庭が周囲から孤立している
・人に助けを求めるのが苦手
・コミュニケーション力が低い
・病気などで思いつめている
・発達障害がある
・失業など周囲と切り離されている　など
↓
周囲に援助を求める力をつけたり、周囲が手を差し伸べたりすることで改善できます。

○アルコールや薬物
過度の飲酒は、うつ病や自殺に関係することが分かっています。飲酒後に自殺する例もあり、アルコールで自制心が低下することも自殺に関係すると考えられます。また、薬物使用も自殺と関係します。
↓
アルコールや薬物で心配なことがある人は、医療機関に相談してみましょう。

◆SOSの出し方教室
市内の小学5年生、中学1年生を対象に、悩みを抱えたときに自ら助けを求めることができるようにすることを目的に、「SOSの出し方教室」を実施しています。保健師が講師となり、「自分を大切にすること」「不安や悩みへの対処法」などを、オリジナル動画を交えたグループワークなどで考えます。

東小学校5年1組　岡柚希さん
SOSの出し方教室を受講して、悩みがあることは自然なことなんだと分かった。私は悩みを忘れちゃうタイプだけど、友達から悩みを聞いたときは、適当に受け流さず、寄り添ったり聞いたりしたい。

ICT端末を活用した相談フォーム「すそのんほっと相談」は、小中学生が学校で使用しているChromebookの画面に相談窓口アイコンを配置し、いつでもどこでも周りを気にすることなく、悩み事を相談することができます。

◆相談することの大切さ
近年、ストレスや問題に対処する重要な能力として、「援助希求行動」が注目されています。これは解決が難しい問題や悩みなどに出会ったときに誰かに相談したり、助けを求めたりできる能力を言います。言い換えると「助けられる力」です。誰にでも可能な、当たり前のことのようにも思えますが、そう単純ではありません。特に思春期の子どもたちは自分の不調が分かっていても認められないこともあります。特定の支援者だけでなく、周りの助けてもらえそうな人たちに救いを求める力(能力)を、思春期が終わるまでに備えておくことが、これからの人生を生きていくうえで大きな力となります。

◆こころの健康相談
精神科の医師や保健師がこころの悩みや病気、不眠、ひきこもり、不登校、いじめ、依存症や認知症などさまざまな相談に直接対応します。医療機関には行きにくいと思っている人、どこに相談してよいか分からない人、本人や家族の人でも相談できます。
今後の相談日程：

相談員：医師、保健師　★の日程は小学生(高学年)、中学生、高校生の相談にも対応します。
時間：(1)13時30分～(2)14時15分～　1人1時間程度です。
ところ：福祉保健会館
予約：相談日の1週間前までに、電話または窓口で申し込んでください。
その他：
・不登校や学校生活で相談する場合には、学校関係者と一緒に相談することもできます。
・保健師による電話相談は、月曜日～金曜日の8時30分から17時まで受け付けています。

問合せ：健康推進課
【電話】992-5711