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自治体の皆さまへ

今村総合病院×垂水市 Ima Taru Vol.4

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鹿児島県 垂水市

公益財団法人慈愛会と垂水市の包括連携協定のもと、今村総合病院の医師の皆様にご協力いただき、市民の皆様の健康増進及び子育て支援啓発を目的に、4か月に1回、皆様にお伝えしたい情報をコラム掲載いたします。

■こどもの感染症と予防について
新型コロナウイルス感染症の流行でこの3年間ご家庭でもいろいろな感染対策をされたと思います。
感染の経路には、飛沫感染・空気感染・接触感染があります。例えばインフルエンザは咳やくしゃみなどの飛沫で感染しますので、まずは距離をとることが大事で1~2メートルの距離があると感染を防ぐことができます。インフルエンザ流行期に人混みを避けましょうというのはこのためです。
自分に症状があるときに周囲への飛沫を防ぐためにはマスクは有用です。医療機関で使用されるN95マスクでは周囲からの感染予防も可能ですが、マスクの種類によっては防御にあまり役立たない物もあります。また、いくら良いマスクをしていても、隙間があるとウイルスは入ってくるため鼻までしっかりおおい、隙間をなくすことが大事です。
空気感染で代表的な疾患は麻疹や水痘です。距離があっても同じ空間にいるだけで感染すると言われており、かなり感染力が強いウイルスです。麻疹は2015年に日本も排除状態となり(国内での自然発生はない状態)、輸入感染症(海外からの持ち込み)になりましたが、水痘はまだ発生の報告があります。
接触感染で代表的な疾患としては感染性胃腸炎があります。嘔吐などで汚染した物などを直接手で触ってしまい、口に入ることで起こります。感染の予防には汚染部位の消毒と手洗いが大事になってきます。
感染してから発症するまでの潜伏期間は様々です。例えばインフルエンザは1~3日ですが、水痘では2~3週間ありますので、接触があった場合は2~3週間後に注意する必要があります。
また、他の人にうつす期間(感染力がある期間)も様々です。そのため学校や保育園では疾患に応じて出席停止期間が決まっています。水痘は全ての発疹が痂皮化(かひか)するまで、インフルエンザは学童であれば発症後5日間あるいは解熱後2日(幼児では3日)となっています。
そして、予防に有効な手段が予防接種です。ウイルス感染症は水痘やインフルエンザなど一部の疾患を除いて有効な薬がないものがほとんどです。
また、流行がなくなり罹患することが少なくなったため、予防接種で免疫をつけることが大事になります。多くの予防接種が定期化されたことで例えばインフルエンザ菌による髄膜炎はほとんど発生しなくなりました。またロタウイルスによる胃腸炎で重症の脱水症になる乳幼児も激減しました。
お子様へのプレゼントと思って予防接種もすすめていきましょう。

・今村総合病院小児科医 溝田美智代
小児内分泌が専門で低身長や肥満、糖尿病、甲状腺疾患等の診療を主に行っています。保護者の方と一緒に、お子様の健やかな成長のお手伝いができたらと思います。

問合せ:保健課健康増進・元気プロジェクト係
【電話】内線138

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