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令和5年度施政方針〔2〕

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鹿児島県天城町

基幹作物でありますさとうきびは、熱帯地方での作物の光合成能率の高い特有の反応経路をもつ植物群、いわゆるC4(シーよん)植物として地球温暖化の一因となる二酸化炭素を吸収する機能が他の植物に比べて高いと言われております。また、製糖過程においても、バガスを燃料としたバイオマス発電によって工場の電力を賄うなど、地球温暖化防止や脱炭素に向けた取り組みの観点からも、有益な作物であります。
そのようなさとうきびでございますが、今期産は基準糖度13.7度の1トン当たりにおける生産者手取り価格が2万3千5百6円と、過去最高を2期連続で更新しております。生産量につきましても、本町で6万4千9百トン、徳之島3町では約17万3千トンと前期産とほぼ同量の見込みとなっております。
一方で、収穫面積が減少に転じ、農家の高齢化や労働力不足による適期植付け・管理作業の遅れ等による単収低下が懸念されています。さとうきび農作業受委託調整センターの機能強化やビレットプランタ等の高性能農業機械の計画的導入、土壌診断の推進や堆肥投入による土づくり、可動式誘殺灯による病害虫対策等を実施し、次期増産へ繋げてまいります。

畜産につきましては、町内繁殖雌牛頭数が4千4百頭を超えました。昨年は、子牛価格が落ち込んだ時期もありましたが回復の兆しが見えつつあります。しかしながら、飼料価格の高騰も重なり経営が圧迫されております。低コストで商品性の高い子牛生産体系の確立を目指し、引き続き繁殖素牛導入・自家保留促進助成事業による優良雌牛更新、また、畜産クラスター事業や町単独事業で規模拡大や省力化を図ってまいります。
新年度より、飼料畑に対する土壌改良資材助成を行い、良質粗飼料の自給率向上と経営改善を図ってまいります。また、家畜排せつ物の適正な処理・有用な有機物肥料の活用に向け、引き続き堆肥舎等整備事業を行ってまいります。

ばれいしょにつきましては、徳之島地域赤土新ばれいしょ「春一番」の銘柄でかごしまブランド産地指定10周年の節目を迎え、植付け面積も増となりました。
今期産につきましては、植付けの遅れや寒波による影響で生産量が懸念されるところでございますが、定時・定量・定質の選別・出荷に地域全体で取り組み、消費者や市場からのさらなる高評価確立を目指してまいります。そのため、農業センターや関係機関による研修会の開催や営農指導による生産技術の向上、適期管理の周知、畑かん利用の推進を行ってまいりま3す。また、輸送コスト支援事業や野菜価格安定基金事業による経営面からの支援、機械導入助成やドローンによる薬剤散布助成など作業省力化支援を行ってまいります。
果樹につきましては、令和4年度にマンゴー、パッションフルーツの品評会を開催しましたが、新年度はメロンも加え、技術の高位平準化を目指してまいります。

食育・地産地消につきましては、第3次食育推進計画に基づき、本町の食の魅力を再発見し、多彩な食文化と豊富な農畜産物を活かしてまいります。そのため、農業センターにおける農業塾や技術セミナーを活かした野菜や花づくりの実践と、苗もの市の開催により家庭菜園の普及を図り、自給野菜の確保に繋げてまいります。
食育講演会や教育ファームにおける農林漁業体験の実施、親子料理教室を通じて食と農への理解を深めてまいります。学校給食における地場産物の活用や、「食育の日」である毎月19日を家庭や職場において家族や友人と一緒に食事がとれるよう推進し、「食」を通じたコミュニケーションの確保に取り組んでまいります。

土づくりにつきましては、土壌診断に基づく堆肥や緑肥等の有機物施用の推進に取り組んでまいります。

鳥獣被害対策につきましては、イノシシ等による農作物被害は減少傾向にあります。鳥獣被害対策実践事業の活用や防護柵の点検、破損箇所の補修等を引き続き進め、さらなる被害の軽減に努めてまいります。
いります。全国的にジビエ料理が注目され、機能性も高いリュウキュウイノシシの需要は高まりつつあります。その需要に応えるため、山猪工房あまぎへのイノシシ持ち込み数の確保に努めてまいります。肉の販売に加え、加工品等にも取り組み「山猪工房あまぎ」の島内外における流通販売の確立とジビエ料理の普及に取り組んでまいります。

林業につきましては、島内産材の普及と利用促進に努めてまいります。松くい虫被害は減少しましたが、貴重な松資源保護に努めてまいります。
また、森林環境譲与税を活用し林業者育成を推進してまいります。
特用林産物の生産について、「シイタケ類栽培」の産地化に向け、普及に取り組んでまいります。

水産業につきましては、天城町水産業振興拠点施設を活用し、地元産生鮮魚介類や水産加工品の直接販売による地産地消の推進を図ります。また、町民に広く親しんでいただけるような施設を目指し、拠点施設の愛称募集を行います。地元水産物を中心とした「お魚祭り」を定期的に開催し、漁業者と消費者との交流の促進を図り、本町の水産物の魅力を広くアピールしていきたいと思います。
また、町単独事業として行っております水産業活性化推進事業につきましては、引き続き、燃料費助成や漁具及び資材購入助成を行い、漁業者の所得向上及び漁業従事者の育成に努めてまいります。

農業基盤整備につきましては、天城町畑かん営農ビジョンを基に、関係機関並びに畑かん推進員と協力をしながら、その基盤整備に取り組んでまいります。
現在進めております6地区の県営畑地帯総合整備事業により、新年度は畑かん31ha、区画整理2haの事業を実施し、徳之島ダム受益地の散水可能予定面積は、令和6年3月末時点で431ha、進捗率は33.8%となる見込みです。
また、県営畑地帯総合整備事業の清算事務未完了地区につきましては、現在33地区のうち10地区が完了しました。引き続き未完了地区の清算事務に取り組んでまいります。

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