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人のとなりに

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鹿児島県 薩摩川内市

■中野忠和(なかのただかず)さん
圧倒される景観の鹿島断崖や約8千万年前の地層から発掘された恐竜化石。2000年に開通した甑大橋など、太古から現代までのロマンが凝縮される鹿島地域。
そこで今回は、地域の活性化のために、子どもたちの成長を見守りながら鹿島の未来を見据える方の思いに寄り添います。

「子どもの頃は、海で貝や魚を捕り、段々畑を走り回って、山グミを食べたり、農繁期はサツマイモの収穫をしたりと何もないけど楽しい毎日だった」と話すのは、剣道スポーツ少年団の指導やウミネコ留学生の里親として、地域の子どもたちに関わる中野忠和さん。
高校進学のために島立ちし、東京の企業に就職。父の病気を機に生まれ育った故郷「鹿島」に帰ってきました。

◆地域の子どもたちと
1982年4月に立ち上げた剣道スポーツ少年団。結成40年を経過した現在も、指導者として子どもたちの健全育成に努めています。「保護者も一緒になって活動していて、現在は教え子と一緒に、その子どもを指導できることがうれしい」と笑顔で話す中野さん。「時代の変化の中でも鹿島の自然の中で、季節に合った遊びを見つけ伸び伸びと過ごしてほしい」と語ります。

◆里親として
1995年、翌年の小学校に入学する1年生が1人もいないことから旧鹿島村がウミネコ留学制度を創設し、留学生の受け入れを開始しました。
中野さんも3人目の子どもの島立ちを機に、里親として留学生の受け入れを始め、これまで29人を受け入れました。
全国各地から来た留学生とは今も交流が続き、剣道で一緒に汗を流した留学生が帰った後も長期休暇などを利用して練習に来てくれることもあります。
「留学生が、鹿島の『人』が決め手になったとか、地域の人たちの応援で第2の故郷ができたと言ってくれるのがうれしい」と話す中野さん。
ウミネコ留学生が地域の良さを広めてくれ、ファンを増やしてくれることで関係人口の創出につながっています。中野さんは、時代の変化で多様化する子どもたちと向き合いながら、今年も留学生を受け入れています。

◆故郷「鹿島」への思い
「甑大橋の開通で観光客も増え、日常生活でも便利さを感じる一方で、鹿島港の寄港地集約を受けて、改めて寂しくなった」と。3月31日(金)は、島立ちする子どもたちの姿を見ながら、自身の島立ちのことを思い出したそう。
それでも、豊かな自然と人の温かさが魅力の鹿島の未来を見据える中野さん。子どもの頃、遊び場だった場所から恐竜の化石が発掘されてとても驚いたそうで、2年後の甑ミュージアムの完成を心待ちにしています。
「新型コロナウイルス感染症の影響で地域の関係性が希薄になったように感じることもある。鹿島港も活用し、観光客にまた来たいと思ってもらえるように、人が集える場所にしたい」とこれからの鹿島のことを考えながら、中野さんは子どもたちと一緒に汗を流しています。

▽「人のとなりに」とは…
文字通り、その人の隣にいて、思いに寄り添うことや人柄を表す言葉「人となり」をイメージしたコーナーで、人物や活動の紹介だけでなく、その人の思いにスポットを当てることを目的としています。

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