■『ひとを生かし』についての事業
◇農業
農業につきましては、営農再開12年目となります令和6年度に営農を行う農家に対しては、国の経営所得安定対策を活用していただき、農業経営の安定を図ります。本町のような中山間地域では、高齢化が進む中、農業生産条件が不利な面があることから、担い手の育成等による農業生産の維持を通じて、耕作放棄地の発生を防ぎ、水源涵養、洪水防止、土砂崩壊防止等の多面的機能を継続的、効果的に発揮するため、多面的機能支払事業及び中山間地域等直接支払交付金事業を活用し、農用地等の地域資源の保全管理に必要な支援を行うとともに、福島県営農再開支援事業を活用し、イノシシ等鳥獣被害対策に取り組みます。
土地利用型農業の収益向上を図るため、基幹作物である主食用米の特別栽培米や有機栽培米を促進し、付加価値の高い米の生産に取り組むとともに、生産農家の収益向上と生きがいづくりを図るため、大豆、麦、野菜など町振興作物の生産に対する支援に取り組みます。
ふるさと納税制度を活用し、寄附をしていただいた納税者の皆様に、広野産特別栽培米コシヒカリや広野産米で造った日本酒、広野産無農薬バナナ「綺麗」などを返礼品として送付することにより、本町の基幹産業である農業の魅力や地域ブランドの情報発信を行い、特産品の販売促進や消費拡大を図り、地域経済の活性化に繋げます。また、町農産物の価値を伝え、販売・消費の拡大を図るため、秋には収穫祭を開催するとともに、町外で開催される様々な物産展等のイベントに積極的に参加します。
担い手農家の経営規模拡大、効率的かつ安定的な農業経営が行なえるよう、国、県、関係機関と連携を図り、町内7地区のほ場整備事業を継続して取り組みます。農業における高齢化、後継者不足、耕作放棄地等の増加などの人と農地の問題解決を図り、地域農業を守り次世代に引き継いでいくことを念頭として、担い手農家へ効率的な農地の集積・集約を図るため実質化が図られた「人・農地プラン」から法制化された「地域計画」への移行と農地中間管理事業の活用の推進に継続的に取り組みます。本町の農業における担い手不足を解消し農業の持続的かつ安定的な発展を図り、農業者の確保、育成を目的として広野町農業次世代人材育成奨学金の活用推進及び新規就農者等に対する経営安定化支援、スマート農業導入支援に取り組みます。
◇広野こども園事業
広野こども園事業につきましては、令和2年度に連携協定を締結したいわき短期大学附属幼稚園とは、園児や職員の交流などを通して双方の取り組みや課題を共有し、幼児教育の質の向上、人材育成に取り組みます。
■『未来をつくる町』についての事業
◇ふくしま森林再生事業
ふくしま森林再生事業につきましては、間伐などの森林整備より森林の有する多面的機能の維持と表土の流出に伴い原発事故による放射性物質の拡散防止を図ることを目的として計画的に取り組みます。令和6年度においては、折木字南沢地区において約54ヘクタールの整備を実施します。
町の大切な水資源確保のためには水源地周辺の森林整備が必要不可欠となることから、森林整備における作業コスト軽減による生産性の向上及び労働条件の緩和を図るため、林業専用道「狼山・叶沢線」の整備に継続して取り組み、令和8年度完成を目指します。
五社山山頂周辺に整備された遊歩道等の施設が経年劣化により腐食している状況にあることから、森林環境譲与税を活用し計画的に改修を行い登山者の安全確保と地域住民が森林に親しめる環境整備に取り組みます。
◇復興関連事業
復興関連事業につきましては、東日本大震災及び原子力事故から13年が経過し、第二期復興創生期間から、更にその先に歩みを進めるにあたり、広野町復興計画に掲げる基本理念・目的を達成し、復興事業のシンボルに位置付けている広野駅東側第一期開発地区の産業団地並びに第二期開発地区の住宅団地、広野駅周辺の整備を着実に進めていきます。
住宅団地整備事業については、事業者による造成工事が完了し販売を開始しています。若者・子育て世代の定住、県外都市部等からの移住に重点を置き、土地購入の負担軽減となる補助制度の実施、子育て・教育環境の充実、就労環境や企業マッチングに力を入れ、移住後の安定的な生活を支援していきます。
広野駅周辺整備事業については、「広野駅周辺整備の基本事項に関する協定」に基づきJR東日本水戸支社と協議を進め、未来のかけ橋と広野駅構内こ線橋へのエレベーターの設置、スロープやホームの嵩上げなどバリアフリー化が進みました。今後、駅利用者の利便性を高めるため駅舎の改修、西口広場のロータリー化を行い、町のランドマークとして利用者が安心・安全に利用できる環境、地域住民の交流の場を構築していきます。
◇福島イノベーション・コースト構想の推進
福島イノベーション・コースト構想の推進につきましては、福島イノベーション・コースト構想に掲げる多様な産業を集積し、福島第一原子力発電所の事故により失われた地域の生業を再生させるため、「研究開発」、「産業化」、「人材育成」、「司令塔」の4つの機能を有する福島国際研究教育機構(F-REI)が浪江町に設置されました。地域の現状や課題を整理し、技術の実用化及び具体化を念頭に本格的な事業化を推進するため、研究者や専門家をはじめ知見を有する人材の配置、支援を行い、完成した東町産業団地、駅東産業団地と共に企業誘致を積極的に進め、地元企業とベンチャー企業・スタートアップ企業とのマッチングやサプライチェーンの構築に取り組んでいきます。
教育の丘には、県立ふたば未来学園中高一貫校や広野小・中学校の児童・生徒、約1,000人が日々勉学に励んでおり、F-REIに進出する研究機関が求める人材育成を念頭とした実学の場として、最も重要な位置を占めると考えています。今後、より高度な就学の場である大学などの高等教育機関と連携を深め、協定を締結している東京大学アイソトープ総合センター、早稲田大学、東日本国際大学、福島高専の拠点となる研究施設や研究等の充実を図り、地域の復興を支える人材育成に取り組んでいきます。
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