- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県鹿沼市
- 広報紙名 : 広報かぬま 2025年12月号(NO.1303)
鹿沼まるごと博物館の活動や、鹿沼の自然や歴史・文化にまつわるホットな話題を紹介します。
■第22回 鹿沼伝説の絵師 竹井漣洲を追って
『広報かぬま』4月号で紹介した鹿沼の絵師竹井漣洲(たけいれんしゅう)の展覧会がいよいよ始まります。市民の皆さんからの協力で、60点もの作品を確認できました。今回は一足先に展覧会の最新情報をお伝えします。
漣洲は、嘉永3年に鹿沼宿の天神町の酒造業を営む家に生まれ、明治の初めから本格的に絵師として活動します。今回の調査では、鹿沼ゆかりの絵師で全国に名高い高久靄厓(たかくあいがい)の絵を、漣洲が模写した作品を発見することができました。絵画技法を学ぶために靄厓を手本にしていたのですね(この作品は展覧会で初公開しますので、ぜひお楽しみに)。
その後、漣洲は「花弁を描かせたら右に出るものはいない」とまで評価され、明治21年には日光の保晃会から依頼を受け、いち早く文化財の保護にも携わりました。今回、その時の写生帖が見つかり、下田町の大日堂の天井絵(天女図)は、それを元に描いた可能性が高いことがわかりました。私たちの身近なところに漣洲の絵があり、それが日光とつながっていたのです。
このほか、鹿沼の俳人グループ「鹿鳴連(ろくめいれん)」との関わり、大正15年に没する直前に大作を目指した《鳳凰図》など、見どころ満載の展覧会です。かつて鹿沼に素晴らしい絵師がいたことを、多くの方々に知っていただければ幸いです。
文化課 主査 原田敏行
●まるごと博物館からのお知らせ
▽鹿沼・粟野合併20周年記念 鹿沼まるごと博物館第11回企画展
「鹿沼伝説の絵師ここに復活 竹井漣洲(たけいれんしゅう)展」
とき:12月7日(日)~21日(日)午前9時~午後5時
※会期中の月曜日は休館
ところ:文化活動交流館・ギャラリー
入館料:無料
問い合わせ:文化課文化振興係
【電話】65-6741
