■参加に必要なのは「同意」だけ
健康サポートサービス事業には、家庭にある電力メーター(スマートメーター)が計測する30分ごとの電気データを用います。このデータをAIが分析し、フレイルの兆候がないか判断して、町にレポートを送ります。もしこのレポートでフレイルの兆候が見られた場合、町・地域包括支援センターの専門職の職員・協力企業の社員などが訪問などを行い、生活改善についてのアドバイスをします。
この事業のポイントは、何といっても機器の取り付けや利用者による面倒な操作、利用者のプライバシーに関わる情報の取得が一切ないことです。申し込み時に電力データの提供などに同意をするだけで、参加費も無料です。
■AIの精度は90%以上
AIは提供された電力データを用いて「起床」「外出」「就寝」「活動」「睡眠」などの項目から、総合的にフレイルの可能性を判断します。例えば、日中の外出回数が減っていないか、昼夜の活動が逆転していないか、料理や掃除などをしていると思われる家電の使用量が減っていないかなどを検知。その結果を既にAIが学習している「フレイル状態の人」と「健康な人」それぞれの電気の使用パターンに照らし合わせ、フレイルの危険度(スコア)を出します。実証実験では、AIがフレイルリスクが高いとして検知した人の中で、実際に「フレイル」だった人は90%以上。AIの精度の高さと信頼性・実用性が認められる結果となりました。
[東員町健康サポートサービス事業]
(正式名称:電力データとAIによるアウトリーチ型フレイル予防事業)
対象:ひとり暮らしで65歳以上の健康な人
※要介護認定を受けていない人
申込方法:健康長寿課窓口でお申し込みください
事業の流れ:
01 スマートメーターで30分毎の電気使用量を計測
02 電気の使用量をコンピュータ(AI)が分析
03 フレイルリスクを東員町に毎月お知らせ
↓ フレイルリスクが高い人には
04 町・地域包括支援センターの専門職の職員・協力企業社員などが訪問
■東員町健康サポートサービス事業のQ and A
Q.フレイルって何?
A.加齢などにより心身が老い衰えた状態です
フレイルは健康な状態と介護が必要な状態の中間の時点です。早く生活改善などを行えば、元の健康な状態に戻る可能性があります。フレイルに早く気付き、正しく対策を行うことが大切です。
Q.自分はまだ元気だから不要だよね?
A.いいえ、身体の衰えは客観的な視点が重要です
身体の衰えは、本人では気付きにくいことが多いです。身体が衰え動きづらくなると閉じこもりがちになり、気付いたときにはすでに要介護状態という人も少なくありません。今元気なときに参加し、心身の衰えに早い段階で気付くことが事業の目的です。
Q.フレイルリスクが検知されたらどうするの?
A.生活改善のアドバイスなどをします
町の保健師や管理栄養士、地域包括支援センターの専門職の職員、協力企業の社員などが訪問します。健康状態などを確認した上で、運動・食事などの適切な生活改善につなげます。
Q.転倒時の見守りなどはできる?
A.できません
あくまで、1カ月単位で心身の衰えの傾向を把握する事業です。数時間、数日単位の見守りサービスとは異なります。
Q.プライベートな情報は漏れない?
A.情報が漏れることはありません
プライバシーに考慮し、最低限のデータを用いる点がこの事業の特徴の一つです。分析に用いる電力データは、一般社団法人電力データ管理協会が既に把握しているデータです。この既存のデータを利用するのみで、プライベートな情報を取得するカメラやセンサーなどは設置しません。町の職員が確認するのは、フレイルのリスクがあるかどうかの分析結果のみです。
Q.どこに連絡したらいいですか?
A.健康長寿課までご連絡ください
申し込みやお問い合わせなど、詳しくは健康長寿課(【電話】86-2823)までご連絡ください。
■東員町が生んだ最先端技術で、日本の健康づくりに貢献します!
東員町・三重県・中部電力グループの合同会社ネコリコ・東京大学・株式会社JDSCが生み出した世界最先端技術は、行政・民間企業・医師など多方面から非常に高く評価いただいています。
まずは日本の皆さまが健康に長く安心して暮らしていただけるよう全国に広げていきます。その後は世界にも展開していきたいと思いますので、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。
株式会社JDSC 取締役 DXソリューション事業部長 吉井 勇人さん
■普段通りに生活するだけ。いざとなったらいち早くアドバイスします!
近年はアクティブシニアという言葉に象徴されるように「まだ一人で大丈夫」「自由に暮らしたい」と考える人が増えています。一方で、ひとり暮らしの場合、突如寝たきりになってしまうなどの可能性に不安を抱えている人も多いでしょう。
このサービスは、何もなければ普段通りに生活するだけで、いざフレイルの兆候があれば私たち専門職からのアプローチが期待できる、画期的な取り組みです。全ての対象者にご利用いただきたいと考えています。
健康長寿課 管理栄養士 松尾 薫さん
<この記事についてアンケートにご協力ください。>