国では、毎年12月4日~10日の1週間を「人権週間」(県では「人権尊重社会をめざす県民運動強調週間」)と定めています。人権とはかけがえのない、ひとりの人間として尊重され、幸せに生きる権利です。しかし現実には、差別を受け、悩み苦しんでいる人々がいます。皆さんも、いま一度、人権問題について考えてみてください。
■私たちの身近な人権問題
▽同和問題(部落差別)
同和問題は、日本社会の歴史的過程で形作られた身分差別に由来するもので、今なお、日常生活の上でいろいろな差別を受けるなど、我が国固有の人権問題です。平成28年12月に「部落差別の解消の推進に関する法律(部落差別解消推進法)」が施行されました。これは「部落差別は許されない」という理念のもと、部落差別の解消を推進し、部落差別のない社会を実現するため、国や自治体に相談体制の充実や教育・啓発の実施を求めるものです。また令和4年7月には「埼玉県部落差別の解消の推進に関する条例」が施行されました。私たち一人ひとりが部落差別を正しく理解し、思いやりの気持ちと、差別を許さないという強い意志を持つことが大切です。
▽LGBTQ(性的マイノリティ)
LGBTQの多くは、周囲からの差別や偏見を恐れ、当事者であることを隠し生活されており、見えないマイノリティと言われています。令和4年7月に「埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例」を施行し、性的指向または性自認を理由とする不当な差別的取り扱いや、アウティング(性のあり方を本人の同意なく第三者に暴露すること)の禁止、カミングアウト(自身の性のあり方を自覚し、誰かに開示すること)を強制してはならないことなどが明記されました。また、令和5年6月に「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」が施行されました。性的指向や性自認を理由とする差別や偏見をなくし、すべての人が自分らしく暮らせる社会を築くため、正しい知識を持ち、理解を深めていくことが大切です。
▽障害のある人への配慮
障害のある人が職場において差別待遇を受けたり、店舗でのサービス等を拒否されたりするなどの人権問題が発生しています。すべての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するために、関心と理解を深めていくことが必要です。
平成28年4月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)が施行され、令和3年の改正により、令和6年4月1日から事業者による合理的配慮の提供も義務化されることになりました。合理的配慮の提供に当たっては、社会的なバリアを取り除くために必要な対応について、障害のある人と事業者等が対話を重ね、共に解決法を検討していくことが重要です。
■人権相談をご利用ください
皆さんの毎日の生活の中で偏見、差別、いじめ等に思い悩んだりすることがあったら相談してください。毎月第一月曜日の午後1時~4時に、市役所1階の市民相談室で人権相談を実施しています。
また、電話等による相談も随時受け付けています。詳しくは、本紙掲載のコードをご確認ください。
問合せ:人権庶務課
【電話】463-1738
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