Q:ヒートショック対策について教えてください。
A:ヒートショックでの死亡者は年間1万人以上とほぼ横ばいで推移しており減少する傾向が見えてきません。交通事故による死者数をはるかに超えています。ヒートショックについては過去に何度か広報誌で注意喚起を行いましたが、未だに発生を抑えることができないため、繰り返し注意点を紹介します。
ヒートショックは室内での急激な温度差による血圧の急上昇・急低下が生じることにより、心筋梗塞・脳梗塞・脳出血などの脳・心血管障害が生じるため、一瞬で致死的となります。圧倒的に浴室で生じることが多いのですが、浴室には湯船、洗い場、脱衣場と主に3カ所の部屋があり暖かい湯船から寒い脱衣場までの移動で急激な温度変化にさらされることとなります。
■ヒートショック予防のポイント
・脱衣場を温めておく。
※ストーブ使用時は火の取り扱いに注意してください。
・浴室はあらかじめシャワーなどで温めておく。
・湯船から出るときはゆっくりと立ち上がり急に立ち上がらない。
・家族がいる際は声掛けをする。
・飲酒後の入浴は絶対に避ける。
・極度の長風呂は避けて、湯温は熱すぎない41℃程度に調整する。かけ湯をしてから入る。
・体調が思わしくないときは入浴を避ける。
65歳以上の高齢者や高血圧、糖尿病、呼吸器疾患などの持病を持っている人は特に注意が必要ですが、若年層にも発生が報告されています。なかなか死者数が減らない原因は不明ですが、日本の住宅の構造上の問題や冬場のシーズン中心なのでなかなか啓蒙(けいもう)が行きわたらないことも関係しているかもしれません。
2月はヒートショックが一番多発する季節ですので、入浴時にはここに掲載したことを思い出してください。
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