Q:健康診断でHDLコレステロールが高いと言われましたが、医療機関を受診するべきでしょうか。
A:HDLコレステロール(高密度リポタンパク質コレステロール)が高いと言われた場合、これはほとんどの場合は良いことです。HDLコレステロールは、血管壁に蓄積した余分なコレステロールを肝臓に運び、動脈硬化などの疾患を防ぐ役割を担っています。つまり、HDLコレステロールが高めだと、動脈硬化や心臓病のリスクが低下すると考えられており、それ故に善玉コレステロールとも呼ばれています。むしろ低すぎる場合(40mg/dl未満)は脂質異常症と診断され管理が必要です。
ただし頻度は多くないですがHDLコレステロールが異常に高い場合、遺伝的にコレステロールを運ぶたんぱく質が少なくなる疾患の可能性があり動脈硬化のリスクが高まります。HDLコレステロールは多いが機能が低下しておりコレステロールを運べない状態です。
HDLコレステロールの上限値は学会レベルでの設定はありませんが、100mg/dl程度までなら多くの場合問題はありません。しかし、それ以上高値で血縁の方に比較的若年で心筋梗塞などに罹患(りかん)された方がおられる場合やご自身が年齢に比して動脈硬化が強い場合は遺伝子検査が必要で設備の整った専門病院の受診が必要です。
脂質系検査はまず中性脂肪・悪玉コレステロール(LDL)・non-HDLコレステロールが高くないかとHDLコレステロールが低すぎないかを基本としてご確認ください。
問合せ:池田市医師会
【HP】http://www.ikeda-osaka-med.jp/
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