今回は、宇宙人へのメッセージについてお話しします。
◆第7回 宇宙人へのメッセージ
コスモハウスのボイジャーには、本体の横に金属のプレート(金メッキした銅板)があるのをご存じですか?これは、宇宙人へのメッセージなのです!これにはいったい何が書いてあるのでしょうか。宇宙人じゃないとわからない?とにかく、解読に挑戦しましょう!
まず、写真1は、ボイジャーの5年前(1972年)に打ち上げられたパイオニア10号のプレートです。写真の右側は人間の姿と大きさ、下の太陽系の並びは、3番目の惑星である地球から出発して輪のある土星まで探査に行った、などわかりそうですね。問題はその上。二つの丸は何?放射状の線は何?写真2を見ると、同じように二つの丸と放射状の線があります。さて、この謎は…。
この二つの丸は、宇宙で一番多い水素の原子を表しています。しかも、中の矢印が上を向いたり下を向いたり。これはスピンの方向を表しています。このスピンの方向は極まれに変化するのですが、その時に出す電磁波の波長が21cm。この長さを基準に、プレート全体で大きさ、距離などを二進法で表現しています。放射状の線上に細かい線が書いてあるのは、21cmの何倍の距離、と書かれています。放射線の部分、これは一定周波数の電磁波を出す「パルサー」という星と太陽の位置関係を表した図です。星からの電波を観測できる技術レベルの宇宙人なら、これで太陽の位置がわかるだろう、との期待です。
一方、ボイジャーのプレートは、パイオニアと同じ水素原子、パルサーとの位置関係の他にも絵があります。実は、ボイジャーのプレートは、裏面がレコードになっていて、その再生方法の説明が書いてあります。そういわれると、レコードへの針の置き方、回転させる方法などの絵に見えませんか?これも、水素原子の21cmを絶対的な物差しとして書いてあります。レコードには、各国の言葉、自然の音、音楽などのほかに地球の風景の画像なども収められているそうです。日本語で「こんにちは、お元気ですか?」と女性の声で録音されているそうです。
これを見た宇宙人、地球に来たくなるでしょうか?オーバーツーリズムになったらちょっと困るかも、ですね!
(JAXA角田宇宙センター 吉田誠)
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