■乳幼児期に育てたい力
市内の公立保育園、こども園では、それぞれの園の周辺環境を生かした「子ども中心」「遊び中心」の保育に重点を置いています。
こうした保育では、子どもたちが夢中になって遊び、さまざまな体験を通して、子どもたちが生まれながらに持っている「生きる力」を最大限に引き出すことで、これからの時代を生きるための力である「非認知能力」を育みます。
この「非認知能力」は、好奇心の豊かさやコミュニケーション力、目標に向かってやり抜く力、自己肯定感、相手を思いやる力などを指し、現代のAI(人工知能)にはない、数値で測ることのできない能力です。もちろん、読み書きや計算などの「認知能力」の獲得も必要ですが、乳幼児期に「非認知能力」を育むことは、その後の人生や人格形成に大きな影響を与えるといわれ、人としての基礎(土台)を築いていきます。
■乳幼児期の「遊び」を大切に
子どもたちは、遊びを通して、試したり、失敗したり、考えたりしながら自身の「さぐる」経験の中で「非認知能力」が育っていきます。
満足感や達成感、時には疑問や葛藤が、自分から身の回りの「こと」「ひと」「もの」などに関わろうとする意欲や態度を育んでいきます。だからこそ、乳幼児期の「遊び」は大切であると言えます。
保育園、こども園では、子どもたちが夢中になって思い切り遊ぶことができる時間と場所を保証し、保育士が子どもたちの「おもしろい」「できた」「怖かった」などの思いをしっかりと受け止めて丁寧に関わり、見守る保育を目指しています。
これからも市内の豊かな環境の中で、夢中になって遊ぶ心が動かされる豊かな遊びや体験を通して、このまちの未来を担う子どもたちの成長を応援していきます。
◆さまざまな環境の中で遊ぶ体験を
上の写真は、あじさい保育園と山之上こども園の交流保育の様子です。市では、園児が他の園に行き、一緒に遊ぶ機会を作っています。いつもとは異なる環境(園庭、河原、山、街など)での遊びは、子どもたちの気付き、学びの体験を豊かにします。
他にも、地域の人と子どもたちが触れ合う機会を設けている園もあり、地域と園がつながることで、子どもたちは地域を知り、地域の人も園や子どもたちに親しみを持つことができます。
※詳しくは本紙をご覧ください。
◆Pick Up 里山保育での「里山」とは
森や山など緑豊かな場所だけが「里山」では、ありません。
・人々が暮らしている場所
・人々の自然への営みが行われる田畑、森林など
・人々が出入りする山、森、川、河原など
これら三つが組み合わされた地域を「里山」と位置付けています。つまり、市内全域が「里山」であり保育のフィールドであると考えています。
◆子どもと一緒に成長できる保育の現場を目指して
健康こども部長 三田村 知勢(みたむらちせ)
毎日の「遊び」の中で、子どもたちは多くのことを学ぶと同時に、保育士も子どもたちから多くの学びをもらっています。市が里山保育を推進し、子どもたちの「非認知能力」を育むためには、保育の「質」の向上を図ることも重要です。そのため市では、園内研修、公開保育、各種保育士研修会、公立・私立保育園長会など、さまざまな機会を通し、保育の問題点や課題について話し合い、保育に対する「保育観」を共有しながら「チーム」となって毎日の保育にあたっています。
問合せ:こども未来課
【電話】28-1131
<この記事についてアンケートにご協力ください。>