特集 これからの鳥獣害対策

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■イノシシによる被害額とイノシシの捕獲数

イノシシの捕獲数は昨年度1,500頭以上捕獲するなど増加傾向ですが、イノシシによる被害額は約1,200万円でほぼ横ばいです。
このことから、全体のイノシシの数はあまり減っていないのではないかと懸念されています。

実りの秋は八幡浜市の特産品であるみかんが美しいオレンジに色づく季節。ただ、このおいしいみかんを楽しみにしているのは、私たち人間だけではないことを知っていますか。
近年、野生鳥獣による農林水産物などへの被害(鳥獣害)が全国的な問題となっています。八幡浜市内で特に多いのがイノシシによる被害。みかんを食べられたり、農地を荒らされたりといった被害が相次いでおり、市内全体での被害額はわかっているだけでも1,200万円以上と言われています。
今月は、鳥獣害を防ぐために市内で活動している「八幡浜猟友会」に注目。鳥獣害対策の取り組みや、野生のイノシシと遭遇してしまった時の対処法などを伺いました。
みかんのまち・八幡浜市で奮闘する狩人たちの活動から、これからの鳥獣害対策を考えます。

■有害鳥獣から園地を守る。
○猟友会の活動
八幡浜猟友会　会長　菊池生一さん
私たち八幡浜猟友会は、市内の鳥獣害を食い止めるために活動している団体です。現在は農業者を中心に、20代～80代の幅広いメンバー172人で活動しています。若いメンバーも増えてきたおかげで、会の平均年齢(59歳)は愛媛県下では一番若いグループです。
私が狩猟免許を取ったのは50年前。初めは趣味として鳥などの狩猟を行っていましたが、約20年前からイノシシの被害が少しずつ出始め、その後の5年間で被害が急拡大しました。そこからイノシシの駆除をメインで行うようになり、現在に至ります。
猟友会の活動頻度は人それぞれ。私の場合はイノシシが罠にかかった時などに依頼を受けて行くことが多いです。また、園地内にイノシシが侵入した時には近くを捜索して駆除することもあります。
ただ、イノシシは繁殖力が高く、2歳くらいになれば子どもを産み始めます。1回あたり5～8頭の子どもが産まれるため、駆除が追い付いていないのが現状です。

○自分たちが、地域を守る。
鳥獣害を減らしていくには、「自分たちの地域は自分たちが守る」という仲間意識が大切です。私たちも地理・地形を把握していない場所では、自信を持って引き金を引けません。勝手をよく知る地域内の人が連携して対策するのが一番です。また、特定の人に負担がかからないような仕組み作りも重要なので、地域内に4～5人は猟銃を扱える人が必要だと思います。このような地域内での助け合いという意味では、今年度から川上地区をモデルに始まった「地域ぐるみの鳥獣害対策」は、いずれ市内全体のお手本になるかもしれませんね。
猟銃の使用許可を得るための試験は難しいですし、家族の了解も必要ですが、今は八幡浜市の補助もあるので金銭的な負担は軽くなっています。意欲のある人は積極的に猟銃の使用許可や狩猟免許の取得に挑戦してほしいですね。

■もしも、イノシシに出会ったら…?
○急な動きをしない!
慌てずにゆっくり後ずさりして逃げましょう。

○いたずらに刺激しない!
石を投げる、大声を出すなどはやめましょう!
(うりぼうの近くは親がいることが多いので注意!)

○安全な場所で警察署か市役所に連絡を!
八幡浜警察署【電話】22-0110
市役所農林課【電話】22-3111(内線1455)

イノシシに攻撃されると感じたら…
なるべく高い場所に逃げましょう!
(イノシシから走って逃げることはできません。)

■若手猟友会員の声
八幡浜猟友会　菊池安倫さん
(9年前に狩猟免許を取得)
すでに深刻になっていたイノシシの被害をなんとかしないといけないと思い、狩猟免許を取りました。
以来、イノシシの駆除に取り組んでいますが、9年前から比べてもイノシシの被害は増えている実感があります。また、最近ではシカによる被害も増えてきました。
罠を仕掛けたら簡単に引っかかるという甘い話ではありませんが、取り組まないと被害はもっと増えていきます。地域内の被害を食い止めるため、これからも頑張ります。

◆Topic!
○川上地区で地域ぐるみの取組がスタート!
川上地区では今年度から猟友会や農業者、区長らが連携した鳥獣害対策がスタート。箱罠の見回りや新しい狩猟免許取得者の確保などに取り組んでいます。

◆行政情報
○狩猟免許・猟銃の取得を支援!
八幡浜市では、狩猟免許試験の予備講習会の費用や猟銃取得にかかる費用の補助を行っています。興味のある方はお問い合わせください。

問い合わせ先：農林課
【電話】22-3111(内線1455)