◆石黒直樹市長
私たちが喜びを感じたり、自分の存在意義を感じたりするのはどのようなときでしょうか。生きていく張り合いや喜び、生きていて楽しくなることなど心の充実感を感じるとき、それが生きる力となり、「いきがい」につながるのではないでしょうか。
子どもたちが自分の未来に夢や希望を抱くことで健やかに成長していくように、「いきがい」を持つことは、健康な心身とともに、市民の皆さんがいつまでも心豊かに、幸せを感じながら生活するために必要な原動力だと思います。また、個人の生活の質を高め、人生に喜びをもたらすものとしてなくてはならないものであると考えています。
「いきがい」の価値観は、一律的なものではなく、人それぞれに多様性があるものだと思います。全ての年代の皆さんの生活を充実したものにするため、文化やスポーツに触れ、趣味や特技を持つこと、また、地域社会と関わることや、ボランティア活動などの社会活動を行う中で、「いきがい」を見つけることも大切であると思います。
今、何か「いきがい」を見つけたいと思っているとしたら、まずは毎日の暮らしの中で、「自分がうれしい、楽しいと感じていること」や「幸せを感じていること」など、どのようなときに自分の心が動くのか、考えてみるのも良いかもしれません。世の中がどんなに変化しても、自分との向き合い方や心の持ち方は自分で決めることができると思います。
本市では、昨年100歳を迎えた方が58人もみえるなど、人生100年時代を迎えています。皆さんの「いきがいづくり」を全力でサポートし、本市を笑顔あふれる元気なまちへとするため、令和6年度は市の組織として、「いきがい創生部」を新たに設置します。
このいきがい創生部が、「いきがいづくり」の推進役となり、健康や福祉、子育て、環境、産業などの各分野と連携しながら、さまざまな施策を推進していきます。
活動の場の確保、人材の育成、活動を支える仕組みづくりなど、皆さんの「いきがいづくり」を支援し、明るい未来を築くために、誠心誠意取り組んでまいります。
◆さまざまな活動を通じて、いきいきと活躍する皆さんを紹介します。
◇和気あいあいと活動中
・春日井着装ききょう同好会 中嶋雅代さん
私たち春日井着装ききょう同好会は、活動歴10年以上のベテランから、今年始めた初心者まで15名ほどが集まり、毎月2回ささえ愛センターで活動しています。初心者はじゅばんの着方から学び、ベテランは帯の種類や結び方を変えるなど、さまざまな和装を楽しんでいます。
今年は、6月の文化協会芸能祭に出演するので、魅せる舞台となるよう、みんなで舞台構成を考え、心を一つにして練習を重ねていきたいです。
◇長距離走が生きる喜び
・池田昌雄さん
私は高校2年から陸上を始め、大学では800m走で東海インカレ3連覇を成し遂げ、35歳から長距離走に挑戦しました。競技仲間と切磋琢磨し、40歳になる頃には県内トップクラスの高校生と競え合えるほどのタイムで走れるようになりました。県市町村対抗駅伝では、春日井市代表選手としてこれまで12回出場しています。
現在は、会社勤めの傍らクラブチームで中学生に長距離走を教えています。その子たちの成長に喜びを感じつつ、私自身も刺激をもらいながら、今後も自分のいきがいとして長距離走を続けていきたいと思っています。
◇市民活動を通じて広がる輪
・子どもの居場所応援団「あいあい」 尾関稲子さん
コロナ禍で時間ができる中、自分のキャリアを生かして何か始めたいと思い、令和3年5月、わずか3人で無料学習支援のボランティア団体をスタートさせました。一年間地道に活動を行い、令和4年6月に空き家を改修して学習や遊びの支援を含む子ども食堂を開くと、利用者やボランティア希望者が一気に増え、「家庭菜園で育てた野菜を寄付したい」などの温かい申し出も多く寄せられるようになりました。
3年に満たない活動期間ですが、子どもたちを含め他団体など多くの方とつながることができました。年を重ねてもいろいろな人と関われることが私の喜びです。
◇学びを生かし講師に挑戦
・コミュニケーション講師 阪ゆかりさん
私は子育てを経験する中で、親子関係や子どもの成長において「言葉の大切さ」を実感し、コミュニケーションとコーチングの資格を取得しました。自分の学んだことが、誰かの役に立つのならと思い「あなたの企画で講師にチャレンジ!」に応募し、念願かなってオンラインでの講座を開催することができ、多くの方の笑顔に出会うことができました。
挑戦することはいくつになってもワクワクします。大人になると新しいことへの挑戦はハードルが高いですが、まず行動に移してみることが大切だと気付かせてもらいました。
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