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自治体の皆さまへ

「共に生きる」ことについて一緒に考えてみませんか(1)

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栃木県下野市

~「ひきこもり」と聞くと、皆さんはどのようなイメージをお持ちになりますか?~

■「ひきこもり」の概要
「ひきこもり」と聞くと「嫌なことから逃げて家に閉じこもっている人」、「仕事や学校をサボっている人」を想像されるかもしれません。「ひきこもり」とは、さまざまな理由で家から出られなくなり、生きづらさを感じている人たちです。ひきこもり当事者とその家族は、異なる経緯や事情を抱えています。内閣府が実施した「こども・若者の意識と生活に関する調査」では、ひきこもり状態の方は、全国で推計146万人(4.07%)でした。「令和5年度市ひきこもりに関するアンケート調査」では回答者のうち3.8%の方がひきこもり状態の方がいると回答されました。支援に大切なことは、周囲の人の理解やサポートです。まずは「ひきこもり」を知ることから始めてみませんか。

■本市における「ひきこもり」の現状(R5アンケート結果)
◆年齢

◆ひきこもり状態になってからの期間

◆関係機関に相談した経験

■栃木県子ども若者・ひきこもり総合相談センター
ポラリス★とちぎセンター長
中野謙作 氏

◆なぜ、人はひきこもるのか
「家の外に出ると白い目で見られるかも」「部屋の外に出ると家族から何か言われるかも」そうした不安があるから、本人は安全・安心な家や自室にひきこもります。つまり、本人にとって地域が安全・安心な場所であれば、自ずと家の外に出ていきます。ひきこもることを悪いことだと考えず、本人に「外に出よう」「働きなさい」と声をかける前に、まずはご相談ください。

◆「ひきこもり」の解決方法
「ひきこもり」をすぐに解決することは困難です。まずは自宅を本人にとって安全・安心な場所にすることが肝要です。家族の皆さまに相談していただくことで、解決方法を一緒に考えることができるようになります。長期にわたり本人を支える家族、とりわけ母親を支援することが、解決への一番の近道です。

◆親にできることは
長期の「ひきこもり」や8050問題などにある傾向として、家庭内でトラブルが起きるまで行政や専門機関に相談しないことが挙げられます。
社会通念上、「ひきこもり」であることが悪いことだという考えがあると、家族以外の人に隠してしまうということがあります。そのことが結果として、「ひきこもり」であることを長期化させてしまう要因なのです。
ポラリス★とちぎが開所してから、約9年に渡り相談を続けている方がいます。その間、本人にはほとんど変化はありません。変化がなくても相談することで、家族は日頃のストレスを解消できますし、本人に変化があった際にすぐ対応できる体制が整えられます。
親御さんが公的機関などとずっと繋がっていることにより、万が一のときに速やかに支援に入ることが可能です。継続的な相談こそ、ひきこもっている本人を守る一番の解決方法です。

■栃木県子ども若者・ひきこもり総合相談センター
ポラリス★とちぎ相談員
齋藤三枝子氏

◆ポラリス★とちぎ出張相談会
現在は、県内9市町で出張相談会を実施しています。ひきこもりとは病気ではなく状態をいいます。ひきこもりは何か悪いことのように捉えられがちですが、自分自身を守るために誰にでも起こりうることなのです。

◆悩んでいる方へ
ご家族は、できるだけ家族内で解決したいとの思いや、ご自分の経験からこうすれば良い方向に進むとの思いで関わりがちです。良かれと思っての関わりが本人との関係を悪化させてしまったり、もう関わるのは無理だと本人への関わりを止めてしまったりしがちです。困ったなと思っていたら相談を先送りせずに、ぜひこの機会に相談会を利用していただきたいと思います。
相談に出向くことはとても勇気がいることかもしれません。連絡してみたいが迷うかもしれません。思い立った時にぜひご連絡ください。上手く話せなくても心配いりません。こちらからお尋ねすることもありますが、話したくないことは話さなくて大丈夫です。今やこれからについて一緒に考えましょう。

◆相談すれば解決するの?
相談してすぐに大きな変化が起きるという訳ではありません。ご一緒に考えさせていただくことで相談者の気持ちに少しずつ余裕ができてきます。継続的に相談していただくことにより、困っていたことを整理し、今やこれからのことを考えることができるようになります。ひきこもりの相談は、背景や経緯がさまざまなので、みな違います。対応方法も本人に合った対応が必要です。どのようになることが解決か?解決は誰のためかなども一緒に考えます。必要に応じてご了解をいただきながらさまざまな関係機関との連携も考えます。今やこれからをどのように生きていくのがその人らしい生き方なのかを一緒に考えていく一歩となるよう、ぜひポラリス★とちぎ出張相談をご利用ください。

相談・問い合わせ先:社会福祉課(福祉まるごと相談窓口)
【電話】32-7087

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