“野菜を食べましょう”とよく耳にされると思います。一体なぜなのでしょうか。野菜には食物繊維が多いことは、よく知られています。もし、食物繊維だけを摂れば良いのであれば野菜でなくとも他の食品を食べれば良いと思うかもしれません。しかし、野菜に含まれているのは、食物繊維だけではないのです。今月は、「野菜の特徴と抗酸化物質」についてお伝えします。
■食べる部分で摂れる栄養が違う?
野菜と一言で言っても、根っこ、茎、葉の部分を食べる野菜…と食べる部位が様々です。実は、それぞれの食べる部位によって含まれる栄養に違いがあるのです。どのように違うのか、見てみましょう。
炭水化物を見てください。根菜類ほど炭水化物が多いです。逆に、葉茎類は炭水化物が少なく食物繊維が多い傾向があります。このように、同じ「野菜」でも食べる部位によって糖質の量や食物繊維量に特徴があるのです。皆さんは、どの野菜を食べることが多いですか?
また、葉茎は紫外線をずっと浴びています。ヒトが紫外線を浴び続けるとどうなるでしょうか。皮膚などが炎症を起こして、がん化する場合もありますね。葉は炎症を起こさないよう自身を守るために「抗酸化物質」を作っているのです。一方、日に当たらない根菜類や海藻、キノコ類はこのような抗酸化物質は少ない傾向にあります。
(1)葉茎類(葉茎野菜)
紫外線から自身を守るために抗酸化物質を作り、炎症を抑えている。実や種を作るために光合成をして栄養を作る。
(2)果菜類(果実や実)
葉で作られた栄養で種を作って子孫を残す。種の大きさによって、蓄える糖質の量が違う。
(3)根菜類(土の中で成長した根や茎)
葉を出すために根を張って水や肥料を吸い上げる。葉で作った糖質を根や茎に蓄える。
■抗酸化物質ってなに?
特に緑の濃い野菜には、たくさんの「抗酸化物質」が含まれています。呼吸で取り込んだ酸素の2~3%は体内で「活性酸素」に変わると言われています。活性酸素とは、老化(血管が固くなる、炎症、しわ、しみ)の原因となる物質です。この活性酸素を除去し、老化を防ぐ役割を持っているのが「抗酸化物質」です。葉物野菜を取り入れることで、こういった抗酸化物質を得ることができます。
また、ビタミンB6・葉酸も多く含まれています。これらが不足すると、血管の炎症が進み、動脈硬化のリスクが高くなったり、神経に上手く情報が伝わらず、認知症のリスクが高まります。ビタミンB6や葉酸は水に溶けやすい性質を持っています。身体にため込むことが難しいため、毎日取ってほしい栄養素です。毎日の食事で、緑の濃い野菜を取り入れてみませんか?
■どうやって食べたらいい?
体に良いけれど「おいしくない」「ゆでるのが面倒」という声も聞きます。青菜と調味料だけで、物足りなさを感じる場合、薬味を加えたり、乾物を合わせるのはどうでしょうか。風味が付いたりうま味が加わるのでおいしくいただけます。味付け揚げにゆでた小松菜を加え、少量の醤油を足すのも良いでしょう。お湯で野菜をゆでるのが大変な時は、レンジ調理がお勧めです。結石のもとになるシュウ酸が多いほうれん草も、よく洗ってラップをかけてレンジで温めた後、すぐに冷水に浸けることでシュウ酸を外に逃すことができます。今月は、野菜の特徴についてお伝えしました。野菜は食物繊維だけでなく、体に必要な栄養素がたくさんあります。まずは1日1回青菜を摂ることから始めてみませんか?
問い合わせ:健康づくり課 健康推進係
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