地域医療最前線!公立河北中央病院赤ひげ通信

33／45

■ACP・人生会議とは
看護師　杉森智世子
あなたは人生の最終段階において、どのように過ごし、どのような医療やケアを受けたいと思いますか?
「痛みを感じることは嫌だ」「ベッドで寝たきりで過ごすのは嫌だ」「できるだけの治療をして長生きしたい」「入院は嫌だ。家族と一緒に過ごしたい」など、さまざまな考えがあると思います。その考えを、家族や信頼のおける方に伝えたことはありますか?あなたが「大事にしたいこと・望む生き方」について考えたり話したりすることは、もしものときにあなたの望みを叶える第一歩となるはずです。
もしものときに備えて、前もって自分が望む医療やケア、療養に関する希望について考え、家族や信頼のおける方、医療者・介護関係者と繰り返し話し合う取り組みのことを「アドバンスケアプランニング(ACP)」または「人生会議」と言います。
全ての方が、命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。そして、命が差し迫った状態になると、約70%の人が、医療やケアなどを自分で決めたり望みを人に伝えたりすることができなくなると言われています。そうした場合に、家族や信頼のおける方・医療従事者が「あなたならこのような形を望むはず」と想像しながら医療やケアについて話し合いを行うことになりますが、ACPを行っておくことで自分の望む形で医療が受けられるようになります。
公立河北中央病院では、緩和ケアチームが中心となり、患者さんが主体的にACPに取り組めるように活動をしています。ACPは、心身の状態に応じて変化します。そのため何度も繰り返し話し合い、患者さん・家族・医療者が同じ認識で療養生活を送れるように、ACPの支援用紙「心づもり」を作成し、入院患者さんのACPを支援しています。
いつか考えようと思っているあなた、ぜひこの機会に大切な方と一緒に「人生会議」をしてみませんか。今、できることから始めてみましょう。

▽アドバンスケアプランニングの進め方(例)

参考：厚生労働省