-合資会社 ロォーリング-
代表 實藤俊彦(さねふじとしひこ)さん(鳥飼)
筑後地方で200年以上にわたって縫(ぬ)われる久留米絣や久留米織。そんな伝統を継承し、大刀洗町でオリジナルアイテムを制作・販売を行っている、ロォーリングの實藤さんに会社設立の思いや商品へのこだわりなどのお話を聞きました。
■ロォーリングの設立
先祖代々、藍染や仕立てを家業としている家系で、約40年前に家業を継ぎました。当時から、久留米絣や久留米織で半纏(はんてん)やもんぺなどの被服を作り販売していました。
人と違うことや新たなことに挑戦することが好きな私は、200年以上にもなる伝統を守りつつより自分らしさが表現できるオリジナル商品を作りたいという思いから約30年前に、三川(現ロォーリング所在地)に縫製工場を建設し、合資会社ロォーリングを設立しました。
屋号であるロォーリングには、自分の時間を大切にしながらも周りの人たちへの思いやりを忘れず、人と人との温もりにあふれた人生を歩みながら、末永く商品を使ってほしいという願いを込めています。
■オリジナルな商品や手法を
お客さんが手放せなくなるような愛着のある商品を目指しながら、町の歴史や伝統を伝えられるようなオリジナル商品や手法を考案しています。例えば久留米織と久留米絣の伝統技術を融合させた「からくり織り」は、肌に優しく、自宅で手軽に洗濯できることを考え、独自に開発しました。また、かつて三川地区周辺は水が良いことから、藍の特産地と言われており、藍や綿を自分たちで栽培し、久留米絣を織っていました。その歴史を後世に伝えるため、15年以上前から藍の無農薬栽培に挑戦。その後「三川藍」を開発し、天然染料として商品に使用しています。
お客さんとの会話からヒントをもらい商品や手法が生まれることもあります。そのため、職人でありながらもお店に立ち、お客さんの声を聞くことを大切にしています。
■町の魅力を活かして
三川地区は蛍が生息するほど自然豊かな場所です。そんな自然の豊かさが町の好きなところです。その自然環境を守るため商品は長く使ってもらった後、すべて土に還すことができます。その土で藍が育ち、また服が生まれる循環をつくっています。
■これからの思い
まずは体力が続く限りお店に立ち、伝統や歴史を伝えていきたいと思います。もしこのお店を後世に継ぐことができたのなら、自分と同じようにカタチにこだわらず大刀洗町だからできることを、またその先の未来のためにしてほしいと思います。
■最後に
この記事の中では伝えきれないほど商品の魅力や町の歴史などを話していただいた實藤さん。そんな實藤さんだからこそ商品とともに歴史や伝統を伝えられるのだと感じました。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>