令和4年度大学3大駅伝3冠達成!〜陸上競技への情熱と目指す3冠連覇〜(1)

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■スポーツの秋特別対談
駒澤大学陸上競技部
主将　鈴木　芽吹さん

熱海市長
齊藤　栄
◎駒澤大学“K”ポーズ教わりました!

令和5年10月9日に開催された出雲駅伝で、見事優勝を果たした熱海出身の鈴木芽吹(めぶき)選手が所属する駒澤大学陸上競技部は、昨年度大学3大駅伝である出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝で3冠を達成しました。今年度、主将で最終学年となった鈴木選手は、「去年の自分達チームを超え、最強チームを目指す!」と目標を掲げ、史上初の3冠連覇を目指しています。今回はその熱い決意と、故郷熱海に対する思いを市長と語っていただきました。

◆陸上競技を始めたきっかけと箱根駅伝
市長：誰もが聞きたいと思うのですが、陸上競技を始めたきっかけは何ですか。
鈴木：昔から走るのは好きで、得意でした。小学生の時に家族で箱根駅伝の応援に行っていたこともあり、すごく箱根駅伝に憧れ、自分も走りたいという思いが強くなっていったかなと思います。
市長：小学5年生で市町駅伝に出ていた時には、もう目標は、箱根駅伝という思いはあったのですね。
鈴木：はい。
市長：市町駅伝で毎年区間の順位を上げて、すごいと思っていました。その後、進学に伴いさらに大きく成長され、素晴らしいことだと思います。

◆けがを乗り越え掴(つか)み取った駅伝3冠
市長：大学2年生の箱根駅伝では疲労骨折をして、厳しい走りになってしまったと思うのですが、どんな気持ちでしたか。
鈴木：箱根駅伝の時に負傷した左足の疲労骨折より前に、9月にも右足を疲労骨折していました。
市長：走っている時に疲労骨折をするぐらい、相当な負荷がかかっているんですね。
鈴木：そうなんです。その年は出雲駅伝も全日本大学駅伝も出場できなかったので、箱根駅伝だけは出たいと思っていました。チームとしても箱根駅伝は頑張って欲しかったので、何とかしたいと思っていました。けがの状況もぎりぎりで、焦りもあり準備もしっかりできなかった事が、けがという形で出てしまったと思います。悔しいという思い以上に先が見えなくて、頭が真っ白でした。
市長：最初の3カ月は、トイレも1人で行けなかったそうですね。
鈴木：はい。トイレやお風呂も介助してもらう状態が続き、走る以前の問題でした。3月頃にはけがも治り、少しずつ走れるようになりました。
しかし、これまでのけがの影響で体のバランスが崩れてしまっていたので、走ってもまた他のところを痛めるということを繰り返し、7月頃まではまともに走ることができませんでした。
8月にはある程度走ることはできましたが、合宿が始まってもチームメイトと同じメニューをこなすことはできませんでした。そんな状態で合宿に参加していたのですが、体の状態も順調に回復し、10月の出雲駅伝にはなんとか間に合うことができました。
市長：直前になって監督からアンカーの指名があったようですね。
鈴木：当初走ることが決まっていた先輩が、体調を崩してしまいました。それでも自分に回ってくることはないだろうと思っていたのですが、監督からアンカーの指名がありました。本当に不安だったので1回は断りましたが、「もっと上を目指すならアンカーぐらいで怯(ひる)んじゃ駄目だ」と監督に言われ、やるしかないと思いました。チームのためならしっかり走りたいと思っていたので、本当に緊張していたのですが、トップでゴールすることができて良かったです。
市長：アンカーを走りトップでゴールされるとは、ドラマチックな復活劇ですね。その勢いのまま、今年の箱根駅伝でもトップで襷(たすき)をつなぎましたね。
最後は三つ巴(どもえ)になり「デッドヒート」とは、まさにこのことだなと思いました。駒澤大学の優勝に大きく貢献されましたね。
鈴木：チームとして大学駅伝3冠を目標にしていて、出雲駅伝と全日本大学駅伝は勝っていたので、ここで勝てば3冠というところでした。箱根駅伝では、2位で襷(たすき)をもらったので、何としてもトップで渡したいと思っていました。
市長：4区を走り、見事に襷(たすき)をトップでつなげました。その勝因は何だと思いますか。
鈴木：最後は本当にきつくて、駄目かなって思う時もあったのですが、諦めてしまうとそれがチームの流れとしても悪くなると思い、諦めずに最後まで走ろうと、常に思っていました。駅伝はチームスポーツです。チームとして勝ちたい、貢献したいという思いがしっかりあったので、本来の自分の力以上のものが最後には発揮できたと思います。前年の箱根駅伝で負傷した左足の不安はありましたが、同じ失敗を繰り返したくないという気持ちもあり、あの走りになったんだと思います。区間賞は取れませんでしたが、しっかり襷(たすき)をつなぐことができ、箱根駅伝で優勝して3冠を達成できたので、本当に最高の形で昨年のシーズンは終われたと思います。