■04 オーガニックシティ推進協議会
本市で有機農業に取り組んできた農家や団体を組織化し、協議会を設立しました。今後は協議会が主体となり、さまざまな取り組みを実施していきます。
◆協議会を設立
令和3年5月、国が「みどりの食料システム戦略」を策定し、2050年までに国内における有機農業の取り組み面積を全農地の25%(100万ha)に拡大する目標を掲げました。
本市では、国の施策と歩調を合わせ、地域一体となってオーガニックを推進するため、令和5年2月14日に「オーガニックビレッジ宣言」を行いました。オーガニックビレッジとは、有機農業の生産から消費まで一貫し、農業者や事業者、市内外の皆さんを巻き込んだ地域ぐるみの取り組みを進める市町村のことです。宣言後の翌3月には「藤枝市オーガニックシティ推進協議会」を設立しました。協議会は、これまで先進的にオーガニックに取り組まれてきた有機農家や関係団体を組織化し、市と一体となって藤枝市有機農業実施計画に基づく取り組みを実施しています。
◆協議会の役割
協議会は定期的に会議を開催し、実施計画の進捗状況の確認および事業進行に向けた意見・提案を行います。有機農業に長けた農家や団体など多種多様なメンバーが参画することで、行政のサポートおよび方向性を明確化する役割を担っています。
また、令和5年8月、協議会内に「有機稲作研究会」が発足しました。これは、新規農業者の確保や有機農業への転換を推進するため、誰でも有機農業ができる技術指導体系の確立に向けたプロジェクトチームです。今後、複数の部門別プロジェクトチームを発足させ、有機農業に取り組む生産者の拡大を図っていきます。
○オーガニックビレッジ宣言
本市では、オーガニックビレッジ宣言を契機に市民の意識や行動の変化を促すとともに、安全で安心な有機農産物が消費者から選ばれる食材となるよう、生産から消費まで一貫したサイクルの実現に向け取り組んでいます。そして、持続可能な社会の実現を目指し、環境に配慮した有機農業を地域ぐるみで推進していきます。
■~Organic QUIZ~ オーガニッククイズ
オーガニッククイズの答え
[A]正解:(2)水を抜いて中干しする。
水田に水を張ると土壌の中の酸素が少なくなり、微生物がメタンガスを作り出します。水を抜いて中干しを行うことで、土壌に酸素が行き届き、メタンガスの発生を抑えることができます。
全国の取り組みとして、お米の栽培中に14日以上の長期中干しを実施している農家もいます。
中干しは、メタンガスの発生量を減らし、地球温暖化防止に効果的な取り組みとして期待されています。
■05 今後の取り組み
持続可能な社会の実現に向け、オーガニックシティ推進協議会と協力して事業を展開していきます。
オーガニックビレッジ宣言後、「藤枝市有機農業実施計画」に基づいた事業を実施しています。本計画では、有機農業面積や有機農産物販売量の拡大、有機農業者を増やすことを目標としています。有機農産物の生産、加工・流通、消費を一貫して取り組むため、さまざまな事業を展開していきます。
生産段階の推進の取り組みとしては、「有機圃ほじょう場の団地化」を進めていきます。また、農地区画の整形や農道・農業用用排水路を整備する基盤整備などにより、高品質で効率的な生産ができる環境を整えていきます。さらに、農業生産における省力化や生産性の向上を目的に、アイガモロボットなどのスマート農業機器の購入費の補助を行っています。加工・流通の取り組みとしては、有機農産物を活用した新たな加工品やメニュー開発、補助などによる有機農産物の海外輸出支援を行います。
これから、オーガニックをさらに推進していくために、学校給食への有機農産物の提供を重点的に取り組んでいきます。給食を通じ、子どもやその保護者を中心とした市民の皆さんへ周知を図ることで、オーガニックの特性や有機農業を知っていただき、地産地消へとつなげます。また、恒久的な消費先となる学校給食で有機食材が使われることは、生産者にとっても販売ルートの確保につながり、生産意欲の向上や農地面積の拡大、新規農業者の増加が期待されます。
市では、今後も生産者から消費者まで地域が一体となって環境にやさしいオーガニックを推進し、持続可能な社会の実現を目指していきます。
○藤枝市有機農業実施計画(R5~9)の目標
◆藤枝市有機農業実施計画の取り組み内容
≪持続可能な社会の実現へ!≫
○生産
・圃場(ほじょう)の団地化
・スマート農業の推進
・有機堆肥の開発
・協議会の部門別プロジェクトチーム設立
○加工・流通
・加工品やメニューの開発
・学校給食などへの有機食材を提供
・有機農産物の海外輸出支援
○消費
・学校給食での有機食材の利用
・消費者へのPR
・イベントに出展
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