日常生活で多様に使用されているパソコンやスマートフォンなどは、私たちの生活に欠かせないアイテムとなっています。しかし、メディアの使用状況によっては、眠りを妨げ睡眠不足を招くなど生活リズムにも悪い影響が出てしまいます。
そこで今回は、メディアと生活リズムの関係について、人間の成長過程や生活を整えるポイントとともにご紹介します。
■心と体を育てる生活リズム
生まれたばかりの赤ちゃんは、昼夜関係なく眠っていますが、明暗の区別ができる環境のもと、昼間は起きて、夜は眠るという生活リズムが整ってきます。人の体は本来、太陽のリズムに合わせて、明るくなったら起き、暗くなったら眠るようにできていますが、子どもが自分で生活リズムを作ることは難しく、「早寝・早起き・朝ご飯」といった生活リズムを身に付けるには、大人の手助けが必要です。
1歳6カ月児健診と3歳児健診で、起床時間と就寝時間のアンケートを行いました。3歳児健診になると、22時以降に就寝する子どもが増加しており、年齢とともに徐々に夜型化の傾向があります。
■生活リズムは、子どもの成長・発達の土台になります
睡眠不足が続くと、イライラする、やる気が出ない、集中が続かないといった経験はありませんか。子どもも大人と同じように睡眠不足になると心が不安定になります。
人間の脳は、下図のように、(1)体の脳、(2)心の脳、(3)考える脳が積み重ねられている構造で、(1)→(2)→(3)の順に育ちます。生活リズムは、「心の脳」と関連していて、生活リズムが整うと心が安定し、「考える脳」が育ちます。言葉を理解して話す、考えて判断する、感情をコントロールするといった力を付けるには、土台が安定していることが大切です。
◇生活リズム(土台)をつくるポイント
(1)早起きして、朝の光を浴びよう
脳が目覚めます。眠りに誘い、情緒を安定させるホルモンが起床後14~16時間後に出ます。早起きが早寝の近道です。
(2)朝ご飯を食べよう
体が目覚めます。日中元気に動くためのスイッチを入れましょう。
(3)昼間は、五感を使って遊ぼう
遊びは子どもの五感を刺激し、成長・発達のエネルギーになり、いろいろな発見もあります。体を動かす外遊びや手先を使う遊びがお勧めです。
(4)スマートフォン、テレビなどの利用を控え、寝る環境を整えよう
夜に電子機器の強い光を浴びると、眠りに誘うホルモンの分泌が遅れます。利用を控え、決まった時間に、照明を消し、部屋を暗くしましょう。
■大人も一緒に生活リズムを整え、睡眠をとろう
子どもは、一緒に暮らす大人の生活リズムの影響を受ける傾向があります。また、生活リズムの乱れは、肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を招きやすくなります。子どもの「早寝・早起き・朝ご飯」リズムを意識しながら、1日の過ごし方を考えましょう。
■メディア使用について考えよう
テレビ、ゲーム、スマートフォン、パソコンなどは現代の私たちの生活と密接に関わっており、年齢とともに使用頻度は増加します。過度に利用することで、生活習慣の乱れやメディアへの依存、対人関係のもつれなどの影響も懸念されますが、やみくもに制限するのではなく、家庭で年齢に応じた使用ルールを決め、上手に活用しましょう。
問合先:市民健康課健康増進第2G(すこやかふれあいプラザ内)
【電話】22-8811
<この記事についてアンケートにご協力ください。>