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B29墜落地青蓮寺一ノ谷からの願い「敵も味方もない」世界へ

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三重県名張市

戦時中、青蓮寺に米軍の爆撃機B29が墜落したことをご存知ですか。今号では地域の戦没者と一緒にB29搭乗員を供養する地蔵院青蓮寺の住職 耕野 一仁(こうの かずひと)さんに話を伺いました。

■戦時中、青蓮寺にB29が墜落父の想いを引き継ぎ供養
昭和20年6月5日午前8時40分頃のことでした。神戸を爆撃したB29が、日本の戦闘機の攻撃を受け、青蓮寺の山中(一ノ谷)に墜落。B29に搭乗していた11人のうち、2人は墜落時に亡くなり、残りの9人も大阪・名古屋へ連行され、終戦前に処刑されました。
前住職でもある私の父は、B29が旋回しながら墜落する様子を目撃。燃える機体が熱いと感じるほど、境内すれすれを飛んでいったそうです。境内へ落下した破片は、本堂内に安置されました。
父は、遠い異国の地で亡くなった搭乗員を思い、「戦争の犠牲者は敵も味方も同じだ」と、墜落した6月5日には、破片に手を合わせ供養をしていました。
毎年8月に戦地で亡くなった青蓮寺地区の36人を追悼する戦没者慰霊祭を行っています。私は、「戦争の犠牲者は敵も味方も同じ」という父の言葉がずっと頭に残っており、戦後60年の節目の年に墜落現場にB29搭乗員11人の追悼碑を建立し、一緒に追悼することを思い立ちました。
ご遺族の人たちから抵抗があるのではないかと心配しましたが、「戦地で亡くなった自分の家族を異国の人々が追悼・供養してくれれば、それはとても嬉しいこと。戦地に送った家族の心情は国籍に関係なく同じだから、ぜひ追悼碑を建立し一緒に供養をしてほしい」と受け入れられ、青蓮寺地区の協力のもと「平和の祈り」「平和の集い」を毎年開催し、今日まで供養を続けています。

■「違いを認め合い、思いやる気持ち」が平和な世界へ
今もロシアとウクライナの間で戦争が行われています。ウクライナの学校や病院はもちろん、ロシアの戦車がミサイルで破壊されているシーンをテレビで目の当たりにした時も、本当に胸が締め付けられる思いでした。
戦車に乗っている兵士にも家族や大切な人がいるはず。亡くなった人の背景まで想像力を働かせなければ、単に「敵と味方」、「正義と悪」として、この悲惨な出来事を受け取ってしまう恐れがあります。
終戦から77年たった今、「敵も味方もない」平和な世界をつくるために、私たちにできることは何でしょうか。ユネスコ憲章の中に「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦とりでを築かなければならない」という言葉があります。人の繋がりが希薄になって、お互いを知ることや、人に寄り添う機会が少なくなってきているように思います。今こそ、「お互いの違いを認め合い、人を思いやる気持ち」を持つことが大事だと私は思います。

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