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平成21年台風第9号から10年 災害の教訓をつなぐ1

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兵庫県佐用町

ーいつまでも忘れないー
平成21年8月9日、佐用町に甚大な被害をもたらした台風第9号災害から、今年で10年を迎えます。この10年間、佐用町では復興に向けて自助・公助・共助、それぞれを高める取り組みが行われました。各地域では防災訓練が行われ、自主防災力も向上しています。災害の経験、教訓を風化させず、将来の佐用町を担う次世代へ引き継ぐ。そのために、これまで行われた取り組みを振り返るとともに、10年の節目に防災について改めて考えます。

◆安全安心な佐用町をめざし繰り返し検証する
佐用町災害検証委員会の委員長を務めた兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科長の室﨑益輝教授に、災害から10年を迎えた佐用町の今後の防災対策について聞きました。

◎兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科科長 室﨑益輝(むろさきよしてる)さん
[プロフィール]
専門分野:都市計画、防災計画
内閣府中央防災会議専門委員会、ひょうご震災記念21世紀研究機構参与、日本災害復興学会会長などを務める。
平成21年台風第9号災害では、佐用町災害検証委員会、災害復興計画検討委員会、災害復興計画フォローアップ委員会の委員長を務めた。

◇安全な佐用町をつくる使命
平成21年の台風第9号災害によって、多くの悲しみが生まれました。その悲しみを二度と繰り返さないために、安全な佐用町をつくる使命が、行政にも住民にも課せられていることを忘れてはいけません。
行政と住民が一緒になって「みんなで安全な地域社会をつくる」という思いが原点で、復旧、復興が始まりました。災害から10年を迎える今、このことを再認識する必要があります。

◇3つの防災対策が地域を守る
防災対策には「ハード」、「セミハード」、「ソフト」の3つ重要な項目があります。この3つがしっかりしていなければ地域を守ることはできません。
10年間、この3つを整備するために佐用町が努力をしてきたことは、間違いありません。
「ハード」の整備は河川改修や砂防工事です。佐用町では可能な限り、積極的かつスピーディーに行われました。
「セミハード」は情報伝達です。今では防災行政無線がデジタル化され、さらに緊急時にケーブルテレビがL字放送になったり、河川情報に切り替わったり、河川カメラがない所は災害モニターになっている人から直接情報を入手するなど、情報システムは全国に先駆けて先進的な取り組みが行われています。
「ソフト」は、コミュニティの防災力です。災害直後から、自治会長が中心となり、地域防災に関する話し合いが進められました。各地域で繰り返し防災訓練が行われ、ハザードマップも全戸に配布されています。佐用町のハザードマップのよくできているところは、地図の貼り替えができ、情報を更新できることです。常に情報を更新し、何度も使ってもらいたいです。
佐用町の防災対策で評価できることは、この3つが整備されていることです。

◇課題を繰り返し検証し次の世代へつなぐ
まだまだ問題も残っています。情報を伝達するシステムができていても、住民が避難情報を知ってから、実際に避難行動に移れるのかが鍵です。一人ではなく、隣近所も一緒に避難する。それには、普段からの人と人との付き合いが大切です。佐用の人はきっとできると思います。
次に、10年、20年経つと世代が変わっていきます。当時を知る人たちが、経験や教訓を次の世代につないでいかなければなりません。
これまでやってきたことを踏まえて、今自分たちに欠けていることは何なのかをもう一度考えましょう。全てが満点ではないので、より大きな災害が起きた時、本当に命が守れるのかを考え、何がまだ欠けているか繰り返しチェックしていくことが重要です。

◆逃げ遅れを防ぐ避難支援
町では、災害時に自力で避難できない人を支援するプランを作成しています。緊急時には、地域のみなさんが助け合って避難の支援を行います。このプランができる以前から隣近所で助け合う制度を独自で行っている、林崎自治会の取り組みを紹介します。

◇近所同士で助け合う「隣組」制度
林崎自治会では、平成24年から独自の防災活動を始めました。集落内の3~4軒ごとに隣組を作り、避難勧告などが発令された際には、隣組のリーダーが声掛け、安否確認を行います。
自治会に自主防災組織委員を設置し、隣組のリーダーと防災訓練や必要備品の購入など、年間計画を作成しています。
また、自治会独自で、家ごとに「緊急時住民確認カード」を作成し、避難時に援助が必要な人がいるか、持病の薬の有無などが確認できるほか、もしもの時の緊急連絡先を把握できるようにしています。

◇安全な避難と避難後の対応
緊急時は、一時避難所になっている公民館で状況が落ち着くのを待ち、移動ができるようになってから、避難者全員で指定避難所に移動します。移動の際は、より安全なルートで避難できるよう対応します。また、避難後の高齢者の体調にも配慮し、同地区にある「障害者支援施設シャイン」に協力を要請するなど、地域ぐるみで防災への取り組みがなされています。

■Pick up あの日を忘れない~平成21年8月9日から10年、未来に経験・教訓をつなぐつどい~を開催
平成21年台風第9号災害が大雨被害をもたらした8月9日から10年を迎えるこの日に、災害の経験・教訓を思い起こし、防災意識を新たにし、未来へつなげるためのつどいを開催します。
日時:8月9日(金)午前10時から正午まで
場所:さよう文化情報センター
内容:
〈取り組み発表〉南光小学校教諭 入田悠生さん
防災学習の取組について~南光小学校5年生のあゆみ~
〈特別講演〉兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科 科長 室﨑益輝さん
あの日を忘れない~未来に経験・教訓をつなぐ~

問合せ:企画防災課防災対策室
【電話】82-0664

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