文字サイズ
自治体の皆さまへ

(わたしたちの健康)新型コロナウイルス感染後の後遺症について

12/35

埼玉県和光市

朝霞地区医師会 上牧勇(かみまきいさむ)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、全世界で猛威を振るい、2022年1月からはオミクロン株感染が急速に拡がっています。COVID-19は、急性期に重篤な呼吸器症状を引き起こすことが問題ですが、それに加えて、罹り患した一部の患者さんにさまざまな後遺症を認めることが分かっています。その病態についてはまだ明らかになっていない点が多く、変異株によって症状が異なることから、その後遺症についても不明な点が多くあります。ここでは、2021年12月までに流行していたCOVID-19の後遺症を中心に解説したいと思います。
COVID-19の後遺症の代表的なものには、(1)全身症状(倦怠感、関節痛、筋肉痛)、(2)呼吸器症状(咳嗽(がいそう)、痰、息切れ、胸痛)、(3)精神・神経症状(記憶障害、集中力低下、不眠、頭痛)、(4)その他(味覚・嗅覚障害、脱毛など)などがあります。
海外の報告(9,751例)では、入院2か月後あるいは退院1か月後の時点で、72.5%の患者さんは何らかの症状を訴えていました。そしてその内訳は、倦怠感(40%)、嗅覚障害(24%)、不安(22%)、咳嗽(17%)、抑うつ(15%)でした。
COVID-19の後遺症には、急性期から症状が持続するものと、回復後に症状が出現するものがあります。急性期から症状が持続するものとして、呼吸器症状(呼吸苦、咳嗽、痰など)や筋力低下が挙げられます。これらの症状は、急性期に症状が重かった人ほど強く出る傾向があり、時間の経過とともに回復すると言われています。症状に応じた治療やリハビリなどが重要になります。精神・神経症状も社会生活に大きな影響を与える症状の一つで、頭に霧がかかったような状態(brain fog)になり、記憶障害、集中力の低下のために職場復帰の障害になることがあります。味覚・嗅覚障害も急性期から持続する症状の一つです。時間の経過とともに回復します。一般的な味覚障害の治療と異なり、亜鉛などの治療が改善を早めるという効果はないようです。
次に回復後に症状が出現するものとして脱毛があります。脱毛は発症から約2か月後から始まり、平均で76日持続したとの報告があります。
どのような方に後遺症が出やすいのでしょうか。日本の報告では、COVID-19の急性期の治療(抗ウイルス薬やステロイド)の有無や内容は、後遺症が発症する確率には影響しないとされています。男性と比較して女性の方が倦怠感、味覚・嗅覚障害、脱毛が出現しやすいとされています。また、若年、痩せ型であるほど味覚・嗅覚障害が出現しやすく、65歳以上の高齢者では、味覚・嗅覚障害の頻度は少ないとされています。後遺症は、急性期の重症度に関係なく出現し、急性期の症状が軽症であっても長引く人がいるようです。同じく日本の報告では、COVID-19罹患後、半年後も約4分の1の人には何らかの後遺症による症状が残存していましたが、1年後には10分の1以下になっていました。
海外のデータでは、ワクチンを2回接種していた人は、COVID-19に罹患しても、後遺症が28日間以上続くことは少ないとの報告があります。この点でもワクチンの役割は重要です。
では、COVID-19に罹患し、後遺症が長引いてしまった場合どうしたらよいでしょう。埼玉県のホームページでは後遺症についての解説や症状のチェックリスト、後遺症外来を開設している病院を紹介しています。
COVID-19の後遺症の予防で最も重要なことは、COVID-19に罹患しないことです。それには、日頃の感染対策の徹底とワクチンによる予防しかないようです。
Withコロナ時代となっても感染対策は継続しましょう。
※県HP「埼玉県新型コロナ後遺症外来」は本紙9ページ二次元コードから

問合せ:朝霞地区医師会
【電話】464-4666

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒104-0061 東京都中央区銀座3-4-1 大倉別館ビル5階

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU