文字サイズ
自治体の皆さまへ

《特集》地域と育てる学び舎 安来分教室 ともに(2)

3/33

島根県安来市

●まちで輝くこと それが恩返しに
○学校外での活動に感謝
太陽の日差しが強くなり始めた6月。16日に1~3年生の5人が社日交流センターに集まりました。この日の授業は、花壇にマリーゴールドを植える作業。地域の施設に貢献する活動も分教室が大切にしている授業の一つです。
生徒たちは、植える前の準備として花壇の石を拾っていきます。田中さんは、この日、参加した生徒のうち唯一の3年生。リーダー的な役割で下級生をけん引。「ここで作業をさせてもらえることに感謝して、きれいな花壇を作りたい」と土を整える手に力を入れます。
石を取り除く作業が終わると土を耕し、苗を均等な間隔で植えていきます。最後に水やりをして出来映えを確認。約2時間の作業を終えました。
「交流センターの人たちが喜んでくれたので良かったです。後輩もがんばってくれました」と田中さんには笑みが。生徒たちは、感謝を忘れず、まちに貢献する活動に汗を流します。

○周りの人たちの声を力に
6月24日には、同センターで窓掃除。2年生3人が取り組みました。窓掃除の仕方や道具の使い方は、1年生の時に学習します。
「水滴が残らないようにしっかり水切りをすることを意識しています。作業中は近所の人に声をかけてもらうこともあるのでうれしいです」と口を揃える3人。地域の人からの声が励みになっています。
また、校外での作業学習は、基本的に教員の指示はありません。生徒は、自分で考えて行動する力を身につけています。

○地域を元気づける
社日交流センターでは、これまでも職場体験学習で生徒を受け入れてきました。
野坂悦由(えつよし)館長は、「交流センターが関わることで、生徒たちと地域の人とを結ぶ架け橋ができる。社会勉強にもなっていると思いますよ」と交流センターが関わっていくことの意味を話します。
さらに、「センターの前の道は、地元の人や小学生などがよく通るので、きれいに整備してもらうと皆さんに喜んでもらえる。地域を元気づけるきっかけの一つにもなってます」。
分教室の生徒たちは、花だけでなく、地域に笑顔を咲かせています。

●多くの人に届けたい分教室の思い
地域に出て、さまざまな人と関わり、また、貢献する活動に取り組む分教室。開設から持ち続ける「生徒を育てる上で大切にしている思い」とはどのようなものでしょうか。

○地元の資源で挑戦
山の木々が色づき始める初秋。分教室の生徒たちは、「島根県知的障がい特別支援学校高等部フードデザインコンテストプレ大会」に向けて準備を始めました。
12月8日に出雲養護学校で開催されるこの大会は、県内の特別支援学校高等部の生徒たちが島根の資源を活用したレシピづくりを行いその成果をプレゼン。優劣をつける大会ではありませんが、審査員や他校の生徒の前で発表します。
分教室の生徒は、地域の酒や野菜などを使ったお菓子作りを検討。地域の資源を活用した分教室の挑戦に注目です。

○思いは生徒の成長に
フードデザインコンテストの目的は、課題解決学習に取り組むことで、「主体的、対話的で深い学び」を進めることです。
仲間と試作などを通して地域資源の課題を探し、主体的に行動する力を身につけます。
「地域のものを知ること」「仲間と対話を重ねて協力すること」「自ら進んで行動すること」。これらは、今後、生徒が地域で働き、生きていく上で必要なことです。分教室の生徒は、社会で活躍できるよう、さらに腕を磨きます。
さまざまな学びの方法で生徒を育む分教室。『自立をめざし「生きる力」を培い豊かな人間性を育む』という学校の思いは、きっと地域の人々にも届くはずです。そして、受け止めた皆さんの思いが、生徒の成長につながっていきます。

●地域に愛着をもってこのまちで活躍してほしい
安来分教室 木次(こつぎ)雄作教諭
学校の外での活動は、地域の人に見てもらえる場です。生徒たちのがんばりを多くの方に知ってもらって、理解してもらうためにも地域に貢献する授業は、学校として大切にしています。周りの人に評価してもらえることは、本人にとって励みになり、自信にもつながります。また、生徒たちはこれから地域と関係を築いて生きてくことになります。社会に出て何年かしたときに自分たちが活動した場所を見て「あの時、ここで活動をさせてもらったな」と思い出してもらい、地域に愛着をもってもらいたいです。
そして、社会に出て輝く姿を見てもらうことが、お世話なった方たちへの一番の恩返しになると考えています。

●支え合って暮らせる社会に
松江養護学校 道下利治(としはる)校長
安来分教室は、「地元の子を地元で学ばせよう」との思いから開設された学校です。
安来の皆さんは学校に協力してくださる方が多くて大変助かっています。私たちは、生徒が地域の人々、企業、同世代の仲間と接していくことで、「コミュニケーション能力」や「実際に経験したことからの学び」を育み、自立できるような学習を進めています。
障がい者の自立には、周りの人が何でも支援をする必要があると思われがちですが、それは違います。必要な支えだけで良いのです。障がいがあってもできることは自分でできます。本校の生徒には、「自分にもできる」という自信をつけられるようにしています。また、支えてもらった分、人の手伝いもするよう教えています。
誰もが意識すれば、障がいのある人もない人も共に手を差し伸べ合いながら、育つことのできる環境をつくっていけると考えています。

●これからも地域とつながりながら
安来分教室 生本(いけもと)美幸 分教室長
年度当初は新型コロナウイルスの影響があり、昨年度までのような授業ができませんでした。しかし、感染対策をしながら、また、地域の方に支えてもらい、少しずつこの学校が目指すべき学習ができるようになってきました。こうしたことができたのは、開校してから地道なつながりを続けさせてもらえたからだと考えています。
学校の外で活動するといろいろな方に生徒の姿を見てもらえます。清掃活動や販売会で「がんばってるね」「ありがとう」などと声をかけられると、生徒たちは本当にうれしそうな表情をします。今、学校で取り組んでいる、地域と関わる・貢献する活動は、間違いなく彼(女)らが自立するための力になり、周りの人と良い人間関係を築くことにつながります。
生徒のがんばりを多くの方に知っていただき、これからも「地域とともに生きる」生徒を育てていけるようにしていきたいです。

●分教室から地域の皆さんへ
○手作りの販売品を置かせてもらえる場所はありませんか
会社・施設のオフィスや受付など、販売品を置かせてもらえる場所がありましたら、ご協力をお願いします。

○生徒が活動させてもらえる場所はありませんか
清掃活動や職場体験など、生徒が活動できる企業や施設などを探しています。ご協力いただける場合は分教室までご連絡ください。
日程や期間などは別途、相談させていただきます。

問い合わせ:安来分教室
【電話】22-2680

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒104-0061 東京都中央区銀座3-4-1 大倉別館ビル5階

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU