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自治体の皆さまへ

総合診療医が答える「こんな症状や疑問 持っていませんか?」

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島根県雲南市

■第12回:「入院すると弱くなる?」
このシリーズでは総合診療医が患者さんからいただいた質問をもとに市民の皆さんが困っている症状や疑問について解説します。

先日いただいた質問はこれです。
「先日退院したんですが、家に帰ってからよく疲れるんです。なぜですか?」
退院後の患者さんで、退院1週間後の外来でよく伺う質問です。多くの患者さんが退院後1週間から1ヵ月間は疲労感を感じて生活していると言われています。特に歳を重ねるとその傾向が強いとされています。
こういう状態に陥ることを医学的には「廃用症候群(はいようしょうこうぐん)」と呼びます。程度の差こそありますが、入院中の患者さんに起こる状態です。なぜその様なことが起こるかというと、単純に「入院すると体全体の動きが少なくなるから」です。

経験のある方は分かると思いますが、入院すると身の回りの多くのことが医療介護職によって行われ、入院中は普段の生活の中での動きの多くが無くなります。身体の機能は、使わないと退化することが分かっており、身体の機能の30~50%程度を使い続けることによってその機能を保つと言われています。一般的に入院し意識的に動いたり、リハビリテーションをしない限り、運動量は普段の生活に比較すると大きく低下します。最近の研究では、急性の病気で入院した場合、人間の筋肉は毎日1~3%低下します。さらに20%程度失われると、寝たきりになると言われています。歳を重ねるごとに筋力低下しやすく、高齢者が入院すると、寝たきりになってしまう可能性が高くなります。入院期間が長くなれば、それだけ身体の機能は低下しますし、内臓機能や認知機能も低下します。

超高齢社会を迎え、高齢者の入院が多くなっています。入院しないことが一番ですが、入院した場合、早期にリハビリテーションを行い、自宅で生活できる環境を整えていくことが重要となっています。医療職として、病気のみにとらわれることなく、患者さんの生活での動きを意識しながら病院での治療やケアに当たりたいと思っています。体に気を付けてできるだけ身体を動かす様に心がけていただけると幸いです。

■入院中に廃用症候群へ至る流れ

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