■「女性の健康を守る産婦人科」
産婦人科 診療科部長 今村加代(いまむらかよ)
皆さん、産婦人科と聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか。産婦人科は「ゆりかごから墓場まで」と言われ、赤ちゃんからおばあちゃんまで女性の一生を診る診療科と言えます。不妊治療も行われるため最近は「卵から墓場まで」と表現する方もいたりします。しかし、産婦人科を受診することはハードルが高いと感じる方が多く、恥ずかしい、怖いというイメージがあったり、月経痛や更年期症状に悩んでいても、他人と比べたことがなく受診していいのか分からないと思われている方もいるようです。日常生活に支障がでる症状がある場合には治療を要することがありますし、受診時の診察で子宮や卵巣の思わぬ病気を発見できることもあります。思春期の悩みでどこを受診していいか分からないという場合にも産婦人科受診をおすすめします。ホルモンの変動が心身に影響を与えることがあり、悩んでいる症状が意外と月経周期と関連していることも考えられます。
そして、子宮がん検診も産婦人科の重要な役割です。子宮頸がん検診に限ると、日本全国の受診率は43・7%ですが、島根県は全国平均を下回っています。欧米では受診率は軒並み70%を超えており、先進国の中で日本は最下位と言っても過言ではありません。子宮頸がんは早期発見で子宮摘出を免れ完治する病気です。20歳を過ぎたら、ぜひ検診を受けてください。また、子宮頸がんの原因とされるHPV(ヒトパピローマウイルス)のワクチン定期接種の勧奨が再開しています。平成9年度から平成17年度までに生まれた方でHPVワクチン接種をしていない方は公費で接種を受けられます。当院でも接種を受け付けていますので問い合わせください。
平成30年3月に産科病室・分娩室が新しくなり、当院で分娩を希望される方が増えてきています。妊娠期から分娩・育児まで支援を継続し、「良いお産ができた」、「また産みたい」と思っていただけるようスタッフ一同日々努力を重ねています。
産婦人科は女性の健康を守る役割があると考え、受診をためらうことのないよう地域の方に身近に感じていただくために雲南圏域の医療に今後もいっそう貢献していきます。どんなことでも気軽に相談に来てください。
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