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区民栄誉賞 角野栄子さんが受賞記念講演「誰もが魔法を持っている」

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東京都江戸川区 クリエイティブ・コモンズ

1月23日、江戸川区ゆかりの児童文学作家・角野栄子(かどのえいこ)さんが、本区初の区民栄誉賞を受賞されました。受賞後の記念講演で、昨年、児童文学のノーベル賞ともいわれる国際アンデルセン賞を受賞した喜びを語られた角野さんは、「歳を重ね、もう開かないと思っていた私の扉がもう1回開いた」と、受賞を契機に創作意欲が高まっていることを告白。さらに新たな作品についての驚きの構想も明かされました。講演の模様を詳しくご紹介します。

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■小岩の思い出が作中に

幼少期から暮らした小岩の思い出について「家があったのは蔵前橋通りと柴又街道の近くで…」などと詳細な場所を挙げながら振り返った角野さん。客席には土地勘のある来場者も多く、地名が挙がるたびに深くうなずく人々の姿が見られました。
「作中には『これが小岩ですよ』とは書いていないけれども、思い出が胸の中のミキサーにかけられて出てきている」と語られたように、幼少期の原体験がさまざまな形で作品に影響しているそうです。

■キキの魔法は一つ!

代表作の一つである『魔女の宅急便』シリーズの創作経緯を振り返る中では、当初から主人公の魔女キキの使える魔法を一つだけに限ろうと決めていたことを紹介。「たった一つの魔法が使えなくなったら、キキはそれを機会にいろんな人と会う。それで物語が面白くなる。だから魔法は一つだけ」と、その背景を語りました。
また、同作は映画監督・宮崎駿(はやお)氏によるアニメ映画によって広く認知されているために、原作にないアニメ独自のエピソードについて悪気なく質問されることがあるそうで、そんな時に角野さんが「そのことなら宮崎さんの方がよくご存じじゃないかしら」とおどけて応じていることを打ち明けると、客席は笑いに包まれました。

■魔法が“読む人”を“書く人”に

角野さんは20代のうち2年間をブラジルで過ごしており、帰国後に恩師からその体験を児童書にまとめるよう勧められたことが創作活動を始めるきっかけでした。
デビュー作『ルイジンニョ少年ブラジルをたずねて』の原稿を1年近くかけて推敲(すいこう)する中で「飽きっぽい私が、何回繰り返して書き直してもちっとも飽きない。なんだか変だな」と戸惑い、ついには「きっと私は書くことが好きなんだ」と思い至ったのだそうです。
自身が思いもよらず“読む人”から“書く人”へと変身した経緯はまさに“魔法”であったとし、「書き続けるうち、私自身が魔法で変わったように、誰でも魔法を持っていると思うようになった」と、人の持つ秘めた可能性への強い思いを語りました。

■私の扉もう1回開いた

講演の締めくくりに自作『魔女からの手紙』を朗読し、不気味な魔女が手紙を通じて優しく語りかけた「この扉はね、おわりからあくんだよ」とのメッセージを引用した角野さん。「何回も扉を開けてしまったから、もう最後だろうと思っていた時に国際アンデルセン賞をいただいて、私の扉がもう1回開いた。こんなに光栄な区民栄誉賞もいただいたので、なんとか小岩を舞台に書いてみたい」と、創作意欲の高まりと新たな構想を言葉にすると、会場からは惜しみない拍手が送られました。

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