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広報協力員による愛ひきゃく便

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滋賀県愛荘町

※このコーナーは、一般住民から参加された「広報協力員」により作成された紙面です。

兵庫県で生まれ育った私が、愛荘町で暮らし始めて6年。今回は、愛荘町で初めて出会った言葉とそのエピソードについて書いてみました。同じ関西圏ですが、少し言い方が違ったり、使い方が違ったり、耳におもしろい言葉が多くあります。そんな言葉に出会うと、なにかいいものを見つけたような気持ちになるのです。

■愛荘町で出会った言葉
▽意味はわかるけど、初めて
まだ愛荘町に来たばかりで、何からすればよいのやら…という頃。「お、やっとるか?」とご近所さん。「いや〜」と苦笑いすると、「まあ、ぼちっとな」と言ってもらいました。「少しずつでええから、頑張りな」という意味だったのかなと思います。少し気が楽になり、ありがたかったのを覚えています。「ぼちぼち」はわかるけど、「ぼちっと」というのは初めて聞きました。似た変化をする言葉に「うかっと」もあります。「うっかり」とは言うけれど、「ごめん、うかっとしてた〜」というのは新鮮でした。
愛荘町で初めての冬、ご近所さんが犬を抱いて「お前はぬくといなあ」と言っているのを聞いて、あったかいことを「ぬくとい」ということを知りました。これも似た言葉の「ぬくい」を知っているので意味はわかるけど、初めて聞く言葉でした。

▽しんどさの表現
愛荘町に来て、しんどいことを表現する言葉が豊かだなあと感じます。例えば、「かなんな〜」は勘弁してほしい。「あ〜、えら!」は体力的にしんどい時に使われることが多いような。「せんどする」は飽きたり退屈した時のしんどさといったニュアンスでしょうか。「ういな〜」はややこしい、相手に申し訳ない。「しんきくさい」はいらいらする、面倒くさい。
しんどさの表現が豊かなのは、こうした言葉を使い分け、気持ちを吐き出しながら、自分自身が頑張ったり、相手を労ったりしているからじゃないかと思います。また編集会議では、農耕文化の名残ではないかという意見もありました。

▽食べ物の周辺
一瞬、鳥の鴨を思い浮かべてしまう「かもうり」。冬瓜のことだと教えてもらいましたが、当時、冬瓜自体にあまり馴染みがなく、ピンと来ませんでした。そんな話をしていると、次の機会に冬瓜の煮物を作ってきてくださり、ありがたく食べたのを覚えています。見た目は大根みたいですが、水分が多く、とろっとした食感が美味でした。
子どもの頃、食卓にかぶを使った料理が並ぶことはあまりありませんでしたが、絵本「おおきなかぶ」などを通して親しみはありました。でも、おしりに「ら」を付ける「かぶら」という言い方は愛荘町で初めて耳にしました。のちに、冬の風物詩である赤かぶの稲架掛けや、お漬物、金剛輪寺では初観音の日に「厄除けかぶら汁」がふるまわれることなどを知り、愛荘町では身近な食材なのだと感じました。
皆さんが何かを食べる前に「よばれよ〜」と言うのを聞いて、人に作ってもらったものを食べるときに使うのだということはわかりました。でも最初の頃は、「よばれる=家に呼ばれる」という意味と混同して、おうちに上がらせてもらう時に「よばれようかな」と言ってしまったことがあります。少し変な顔をされてしまいましたが、挑戦に失敗はつきものですね。
また、少し驚いたのは「はよ、食べい〜」など「しなさい」という意味で語尾を伸ばすときに、母音が「え」から「い」に変わることです。この「い」はどこから来るんだ?と今でも不思議です。

▽言葉は人を映すもの
ほかにも「ももける」「はしかい」「へづる」「〜ほん」などなど。みなさんにとっては当たり前でも、不思議でおもしろい言葉の数々を、日々楽しませてもらっています。そして、こうして書き出してみると、言葉とともに、愛荘町の皆さんの優しい顔が浮かんできます。言葉は人を映すもの、私も愛荘町の言葉を使いこなせるようになりたいです。といっても、いまだに新しい言葉を耳にすることがあり、その道のりは長そうです…。

瀬戸きりん

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