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自治体の皆さまへ

ASO田園空間博物館通信 No.96

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熊本県阿蘇市

■中江神楽殿
私たちASO田園空間博物館は、「阿蘇の魅力を、そこに住む人々と共に発掘し、この地を訪れる人々にそれを伝えることでこの地の新しい未来を創造していく」という活動を続けてきました。
その中で活動の主軸となっているのが地域資源である「サテライト」です。現在、96のサテライトが登録されており、市民の皆さまとともに将来につないでいくための活動を行っています。
今回は、サテライトNo60「中江神楽殿」をご紹介します。

200年以上前から、波野の中江地区に伝わる神楽。中江岩戸神楽保存会では、33座の神楽を郷土芸能として伝承しています。神楽には楽譜や資料がありません。笛、カネ、太鼓にぴったり呼吸を合わせた舞。音に強弱をつけて派手に打ち鳴らされる太鼓。こうした一つ一つの舞や演奏は、言葉と体で伝えられてきました。
保存会では、毎月第1日曜日に中江神楽殿で定期公演を行っています。公演では33座ある舞の中から毎回5座を披露。この日は、神楽の将来を担う小学生による五方礼始(ごほうれいし)から始まり、朝倉返(あさくらがえし)、柴曳(しばひき)、天(てん)の〆(しめ)、八雲払(やぐもばらい)の5座が披露されました。柴曳では舞手が赤ちゃんや子供を抱き上げる場面もありました。神楽では赤ちゃんや子供を抱いてもらい、健やかな成長を願うという風習があります。子供を抱き上げてもらいたい親と、その気持ちとは裏腹に舞手から逃げようとする子供。対照的な姿が観客の笑顔を誘います。ダイナミックな舞や息もつかせぬ展開にあっという間の3時間でした。
この日の公演に先立って「神楽男子」もお披露目されました。神楽男子は保存会の中学生から社会人までの若手メンバー8人で構成。神楽を盛り上げ、地域の魅力を発信しようと結成されました。
メンバーたちは幼い頃から笛や太鼓、鐘の音を聞きながら成長してきました。平成12年には波野小学校子ども神楽部が発足。子供たちも日々、神楽の練習に励んでいます。メンバーのDaichiさんもその1人。保存会の佐藤会長を祖父に持つDaichiさんは、幼いころに見た神楽を舞う祖父の姿をずっと追いかけてきました。「じいちゃんみたいなヒーローになりたい!」。そう言っていた少年も今では大人に。堂々と神楽を舞い、成長した姿を見せています。
そんな先輩たちの姿を見てこれから育っていく波野の子供たち。大人になったらこの場所でさらに見事な舞を見せてくれるでしょう。
先輩たちが受け継いできた神楽を神楽男子が後輩たちに引き継いでいく。そうして中江岩戸神楽の舞が100年、200年と継承されていくことを願っています。

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