■ありのままの歴史を伝えたい
発掘調査補助員
水野 諒(りょう)さん(26・妻田北)
開発などで失われる遺跡を調査・記録する仕事に就いて3年目になります。今は、調査現場のリーダーである発掘調査員を目指し、厚木を中心に県内各地で経験を積んでいます。
この仕事を志したのは中学生の時、考古学者が秘宝を探して冒険する映画を観たことがきっかけです。以来、古代の世界に夢中になり、マヤ文明など海外の考古学の本を読み漁りました。大学時代も太陽と神殿の向きの関係を研究しながら、今の職場で発掘調査のアルバイトをしていました。住居や水路などの痕跡を見るのが好きで、何百年も前の暮らしを肌で感じながら、残されたかけらをつないで推理するのは心が浮き立ちます。発掘中に大きな石が出てきたり、街中の工事現場で石がちらりと見えたりしただけでも、円状に石を並べたストーンサークルかなと想像がふくらんでしまうほどです。
私たちの役目は、遺跡を調査し、報告書にして後世に伝えることです。小さな記録の積み重ねが数年後には歴史となって伝わり、私たちの暮らしを見つめ直すきっかけになります。歴史を正しく後世に伝えていけるよう、これからも「ありのままを忠実に」を意識して調査していきます。
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