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自治体の皆さまへ

多様な働き方ができる社会へ ~障害のある人の「働く」を考える~(1)

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神奈川県川崎市 クリエイティブ・コモンズ

障害のある人が多様な働き方を選択できるように、一人一人の特性を生かし、知ることで、就労へとつなげている取り組みを紹介します。

◆平田 貴子 HIRATA TAKAKO
水彩色鉛筆と絵の具を塗り重ね、作品を完成させる。色はその時々で変わり、まるで言葉のように表現される。
◆宮本 憲史朗 MIYAMOTO KENSHIRO
鉛筆の細かいタッチと絵の具の大胆なタッチが華やかにキャンバスに広がる。
◆半澤 真人 HANZAWA MASATO
細かい描写と大胆な構図で、川崎の工場風景を独自にアレンジし、新たな造形物として再構築している。
◆清井 了支 SEII SATOSHI
繊細なタッチでミクロの世界を描き出す。余白にとても美しい空間が表現される。

■Report
障害のある人のセンスや色感を生かす
幸区に知的障害のある人たちが通う福祉サービス事業所「セルプきたかせ」があります。3階の一角はアトリエとなっていて、施設利用者が絵画活動を行っています。
アトリエでは、ある女性が水彩色鉛筆を握り、画用紙に色を重ねています。隣の男性は大きなキャンバスにパステルカラーの模様を華やかに描いていました。
「彼らの作品は、商品のデザインにも多数採用され、ワンピースなどが実際に販売されています。作品はアートとして評価されているんです」と話すのは、同施設で絵画講師を務める大平暁(おおだいらさとる)さん。同施設に通う14人がアーティストとして所属する「studio FLAT」の代表でもあり、アート作品の商品化に結び付けました。
「障害のある人の作品をデザインや広告で使う企業との仲介を行うNPO法人を通じて、作品は商品化されています。これからも施設と保護者の協力を頂きながら、障害のある人のセンスや色感を生かし、障害のあるなしにかかわらずにアートとしての価値を見いだすことが私の役割だと思っています」と話してくれました。

■作品が商品になる!
ワンピースに (C)SEII SATOSHI/Able Art Companyby FELISSIMO UNICOLART
ワンピースに (C)MIYAMOTO KENSHIRO/Able Art Company by FELISSIMO UNICOLART
イヤリングやスマホケースに 現在は販売を終了しています
インテリアとしての壁紙に (C)HIRATA TAKAKO/Able Art Company by Sangetsu (C)HANZAWA MASATO/Able Art Company by JAGDA

■障害のある人の就労支援に向けて
市内には障害者手帳所持者が、57,395人(身体:36,761人、知的:9,499人、精神:11,135人 29年4月時点)おり、市生活ニーズ調査からは、企業や自宅などで働く人の割合は4~5人に1人程度になっています。市では、さまざまな障害者の就労支援を行っており、短時間雇用創出プロジェクトやKーSTEPなどの取り組みを紹介します。

◆自治体初短時間雇用創出プロジェクト
心身などのコンディションにより短い時間であれば働ける障害のある人と企業をつなぎ、週に主に20時間未満の多様な働き方を作り出す取り組みです。東京大学や市内企業などと連携しながら進めています。

▽短時間雇用創出プロジェクトのこれまでの実績(2016年4月~2018年8月)
就職者数:
身体:2人
知的:4人
精神:27人
その他:3人
合計:36人
その他は、発達、難病等

▽週の労働時間
5時間未満:16人
5~10時間未満:13人
10~15時間未満:5人
15時間以上:2人
平均就労時間:6時間

▽仕事の内容(抜粋)
書類のデータ化(スキャン)
金属製品の外観全数検査
送迎車の清掃
医療機器の洗浄
物品の在庫管理

◆精神障害のある人などの就労定着プログラムKーSTEP
セルフケアシートを使い、障害者の毎日の体調を職場で共有することで、就労定着を図るプログラムです。同シートを活用している企業の意見も市ホームページで掲載しています。
詳細は「川崎市 K-STEP」で検索

◆障害者雇用を支える就労援助センター
障害者と企業の就労支援相談窓口です。障害者雇用全般に関する情報提供や実習受け入れ相談などを行っています。
川崎南部就労援助センター 【電話】044-201-8663【FAX】044-201-8668
中部就労援助センター 【電話】044-739-1294【FAX】044-739-1295
百合丘就労援助センター 【電話】044-281-3985【FAX】044-281-3987
詳細は「川崎市 就労援助センター」で検索

◆雇用者へインタビュー
株式会社スタックス専務取締役 星野 佳史さん
短時間雇用創出プロジェクトに参加し、周囲とのコミュニケーションに問題を抱えやすい精神障害者Aさんを雇用する金属加工会社の星野 佳史さんに話を伺いました。
周りの理解が大切
Q 職場の状況はどうですか
A 就労間もない頃のAさんは、慣れない環境で戸惑いもあり、周囲を驚かせることもありましたが、周りの従業員の理解などもあり、1年が経過した今では、周囲にも溶け込み一緒に仕事をしています。
Q どんな仕事を任せていますか
A やってもらう仕事を事前に切り出し、求める人材を伝えた上で、市にマッチングしてもらったのがAさんです。我が社は、ミリ単位の神経を使う作業が多いのですが、繰り返す作業が得意なAさんの仕事ぶりは正確で、会社としても高く評価しています。
Q 障害者の雇用を考えている方へアドバイスを
A まずは、障害者の就労体験を受け入れてみてはどうでしょうか。特性を生かす働き方のイメージが湧いてくると思います。

◆識者からのコメント
東京大学 先端科学技術研究センター准教授 近藤 武夫さん
障害者の短時間雇用を推奨する東京大学の近藤 武夫さんにコメントを頂きました。
「公平さ」と「寛容さ」の共有を!
労働者に平均的にあれもこれもとなんでもできることを求めてきた慣習が、働くことの壁になっている場合があります。求める仕事内容を雇い主がはっきりさせ、その働きに対して評価と感謝を返すことができる土壌と仕組みを作ることで、公平な職場が生まれます。公平な職場は、個人の強みに注目し、異質な部分をおおらかに受け止める「寛容さ」を生むと考えています。「公平さ」と「寛容さ」を一人一人が共有していくことで誰もが働きやすい社会になっていくのだと思います。

問い合わせ:健康福祉局障害者雇用・就労推進課 【電話】044-200-2457【FAX】044-200-3932

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