ユーザー登録
文字サイズ
自治体の皆さまへ

実りのときを迎えて〈米編〉

1/24

福島県楢葉町

今、楢葉町の農業は震災を機に転換期を迎え、以前から行われていたものとは様変わりしています。
特に、町の農業の基幹作物である„米づくり“についてはそれが顕著です。
こうした中、町でただ一人、「FGAP」※を取得し、米づくりに取り組む人がいます。その挑戦を通して「農の今」を見ます。
※FGAP(エフギャップ):
農林水産省の「農業生産工程管理(GAP)の共通基盤に関するガイドライン」に準拠し、放射性物質対策を含めた本県独自の基準に基づき、GAPを実践する生産者、団体を県が承認する新たな制度。

●猪狩富夫さん
運転手として町の「お買いものバス」のハンドルを握りながら農業を行い、サツマイモやタマネギなど、新たな作物にも積極的に挑戦。
親子二人三脚で大谷水稲受託組合代表として米づくりを熱心に行っている。

まず、「FGAP」の承認おめでとうございます。
FGAP取得の経緯についてお伺いする前に、震災前後の米づくりについてお伺いしたいんです。何歳の頃から米づくりを始めたんですか?
「記憶があるところで言えば、中学生ぐらいから始めていた記憶があります。現在の役場庁舎が建つ前は田んぼが広がっていて、田植え・稲刈りの時期になると、母親の職場の人たちまで集まって賑やかにやっていました。」
実際には見たことはないんですが、昔は役場の土地が田んぼだったというのは聞いたことがあります!
「当時はため池から取水していて、水が無くてとっても苦労した覚えがあります。」
震災後もいち早く米づくりをしていたのを拝見していました。
いつも綺麗な田んぼをつくるな〜と。写真の素材にも使わせていただいたこともありました(笑)
米づくりで気を付けていることは、また綺麗に育てるための秘訣なんかがあればこっそり聞いてみたいです。
「農業を効率化し、機械をより良いものにすることを心がけています。秘訣というよりは、効率化することで、稲に目をかける時間を増やすことを実践しています。」
なるほど。作業だけに追われる時間を効率化で減らしているんですね!

■FGAP
話をFGAPに戻しますね(笑)
「取得しよう!」と考えた、きっかけを教えてください。
「米に付加価値を付けたかった、というのが第一です。道の駅などに出品する際に、よそから来て私の作った米を手に取ってもらう。そこで大事になってくるのは安全・安心などの付加価値だと思っています。」
承認があるものなので難しかった部分もあると推察しますが、いかがでしたか?
「使用する農薬や燃料などの置き方ひとつとっても指針があります。はじめは少し面倒に感じていましたが、慣れると管理しやすくなったので、楽になりました。」
取得してみて自信となる部分が大きいと思いますし、その反面、責任も今まで以上に感じていると思いますがその点いかがでしょう?
「GAPの市場が伸びてくるという自信があります!その反面、当然のことながら、品質に関しては責任を感じています。今まで以上にいいものを作らなくては!」

■これからの米づくり
震災前に比べると、担い手が非常に少なくなっています。
「これからの農業は大型化・効率化という段階に来ていると思います。先ほども話したとおり、私自身は効率化が出来ていると感じています。これからの農業は少人数で多くのほ場を担う時代がやってくると感じたので、率先して機械化を行いました。今年は米だけで10ha、来年はもう少し増やせるかな?と考えています。」
今後、楢葉の米に求められることは何だと思いますか?
「震災前のように安全で安心なものが提供できるようになることが一番大切だと考えますし、一農業者としてそうなることを願っています。」
稲刈りで忙しい中、ありがとうございました。

さて、今回インタビューさせていただいた猪狩富夫さん。64歳になられます。
震災後の荒れた農地を見て、「楢葉の農地を守っていきたい」と、営農を決意し、営農再開から数年で今の規模にまで拡大しました。来年は、息子さんを代表として農業法人の設立を目指しており、サツマイモやタマネギにも力を入れていくとのことで、まだまだ農業への挑戦は続きそうです。
何事にも真剣に、常に挑戦を忘れない猪狩さん。
町内FGAP取得のフロントランナーとして、今後も町農業の中心で頑張っていきます。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒104-0061 東京都中央区銀座3-4-1 大倉別館ビル5階

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU