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特集 ばらもん凧

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長崎県五島市

2022年度後期NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の舞台のひとつに五島列島が決定しました。
ストーリーは、ヒロイン・舞がパイロットの夢に向かって厳しい道のりを歩んでいくもの。そのパイロットの夢を志すきっかけが、五島の広い空を力強く舞いあがる「ばらもん凧」でした。
五島に古くから伝わり、ドラマで重要なキーワードとなる「ばらもん凧」を詳しく紹介します。

■ばらもん凧の由来
五島に古くから伝わるばらもん凧。「ばらもん」は、「ばらか」という「荒々しい、向こう見ず、活発な元気者」を意味する方言に由来。その意味のとおり、絵柄は「鬼に正面から噛みつかれても力強く立ち向かい、敵に後ろ姿を見せない武者」を表現しています。
男の子の初節句(旧3月3日、現5月5日)に我が子を思う親が作り、天高く揚げながら、凧の上部に付けられた「うなり」がブーンブーンという独特の音を出します。この音が子どもの厄を払うといわれ、無事に成長することや立身出世、家内安全を祈願しました。
長きにわたって受け継がれてきた伝統工芸品で、今も家の縁起物や観光のお土産、市のイメージキャラクターのモチーフになるなど、多くの人に親しまれています。

■おじいちゃんの腕の見せどころ
現在、ばらもん凧を手に入れるには、お店で買ったり、作ることができる知り合いや親せきにお願いするのが一般的。しかし、昔は子どもが初節句を迎えると、当たり前のようにおじいちゃんやお父さんが作っていました。それらに同じデザイン、同じ色合いのものはなく、それぞれが個性を出しながら作っていたといわれています。出来栄えが各家庭で違うことから、当時は「おじいちゃんの腕の見せどころ」といわれていたそうです。

■受け継がれてきた伝統、五島民芸のばらもん凧
上大津町、空港通り沿いにある「五島民芸」。長年ばらもん凧を作っている老舗です。
現在営んでいるのは、3代目の野原一洋(のはらかずひろ)さん。1965年(昭和40年)、祖父の権ごんたろう太郎さんが、福江空港関係者の親せきから「五島を代表するお土産がないものか」と相談されたことをきっかけに、商売としてばらもん凧を作り始めました。1993年には、五島民芸が制作するばらもん凧「五島ばらもん(凧)」が長崎県伝統的工芸品に指定されています。
一洋さんが正式に事業を継いだのは2019年。すぐに大きな壁が立ちはだかります。2020年、新型コロナウイルスの流行で人の流れが止まり、事業に大きな影響が出ました。さらに同年9月、大型の台風9号により店舗が損壊し、中に飾っていた凧の一部が雨や風で壊れてしまうなど、大きな被害に見舞われました。このような状況で店の存続を何度も悩んだという一洋さん。それでも続けているのは、「じいちゃんが頑張ってきたことを残していきたい」という強い思いからです。
そんな中、耳に入ってきたのが、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」のニュース。その時の心境を聞くと、「じいちゃんに生きててほしかったなあというのが一番。すごく喜んでいたと思います。ばらもん凧の魅力を知ってもらう絶好の機会ですし、五島の活性化にもつながるので期待しています」。
伝統を受け継ぎ、思いをのせて、五島の空を舞いあがる「ばらもん凧」を守り続けています。

■ばらもん凧の作り方
制作方法は作り手によって違います。今回紹介しているのは一例です。

(1)竹を調達し乾燥
10月~12月頃に竹(孟宗竹)を切って調達。火であぶったり海水につけたりすることで虫食い予防を行う。1~2か月陰干しした後、切って粗削りし、さらに2年間乾燥させる。

(2)骨組みを作る
竹を削り太さを調整しながら骨組みを作る。左右対称になるように、長さを計りながら組み立てていく。

(3)和紙に縁取り
和紙に骨組みを合わせて縁取りを行う。下絵を和紙に合わせて、鬼と武者の絵柄を写し取っていく。

(4)切って骨組みに貼り付け
縁取りした和紙を、縁の1cm~1.5cm程度大きめに切り、貼りやすいように余白に切れ目を入れ、骨組みにのり付けする。

(5)色付け
下書きが終わっていない部分を仕上げ、色付けする。色は薄い順番に塗っていく。

(6)うなりを作る
骨組みの竹と同様に丁寧に竹を削る。荷造り用のバンドなどをサンドペーパーで薄くし、弓のように竹に取り付ける。

(7)根糸とうなりを取り付けて完成
揚げるときに使用する根糸と、うなりを糸で取り付けて完成。

▽今回作り方を教えてくれた人
田端久世(たばたひさよ)さん(84)
岐宿町在住。52歳で勤め先を退社後、町議会議員を務めながらばらもん凧作りを開始。例年、岐宿町産業祭や魚津ヶ崎公園の祭りに、抽選景品としてばらもん凧を無償で提供。今までに作った凧は1500以上。こだわりは力強い鬼の目。

■舞いあがれ!五島推進協議会設立総会を開催
2月24日、2022年度後期NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の舞台のひとつに五島列島が選ばれたことを受け、「舞いあがれ!五島推進協議会」の設立総会を開催しました。
総会では、役員の選出が行われ、会長には五島市観光協会の境目権二会長を選出。協議会は、構成団体が協力し、受入体制の整備やPR、誘客などに向けて取り組み、地域経済の活性化につなげていきます。
野口市長は、「ドラマを起爆剤として、今後の観光客の誘致につなげていきたい」と話しました。

■関連イベント
▽鬼岳で遊ぼう!バラモン凧揚げ大会
バラモン凧揚げや職人による凧作りのデモンストレーションなど、五島の伝統工芸品であり、2022年度後期NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」にも登場する「バラモン凧」の魅力を発信するイベントを開催します。
日時:5月3日(火)(祝)10時〜13時
※雨天時は、5月5日(木)(祝)に延期
場所:鬼岳園地
料金:無料
駐車場:駐車場は台数に限りがありますので、なるべく乗り合わせてご来場ください。なお、駐車場内では係員に従って駐車をお願いします。

問合せ:
五島市観光協会【電話】72・2963
文化観光課観光物産班【電話】74・0811

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