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自治体の皆さまへ

「一隅(いちぐう)を照らす~弱い立場の人に寄り添う行政を目指して~」町長からのメッセージ

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熊本県あさぎり町

「人口減少と少子化対策」
最近「人口減少と少子化対策」に関する新聞記事や新刊本を目にするようになりました。読売新聞の10月30日朝刊の「地球を読む」(著者/吉川洋 東京大学名誉教授)によると、今年1月1日の日本の人口は前年より約62万人減って13年連続のマイナスになり、昨年の出生者数が81万人と6年連続で過去最少を更新しているとあります。町でも令和4年の成人者数は182人、中学一年生が163人、小学一年生が127人、0歳児が78人と少子化は推計よりも早く進んでいます。

その理由として、立命館アジア太平洋大学学長の出口治明氏は著書「日本の伸びしろ」で次のように紹介されています。「1991年(平成3年)に日本のバブル経済が終わる頃に、東西冷戦構造が終結して、ほぼ同時期にデジタル革命が起こり、世界がダイナミックな変革期を迎えた。」とあります。

日本経済がバブル崩壊後から低迷したのとは対照的に、アメリカ経済は長らく活況を呈してきました。この間に欧米の賃金は1.5倍~2倍に上がったのに対して、日本の賃金は20年以上そのままです。アメリカ経済の原動力となったのがグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフトの5社です。5社の時価総額の合計は、2022年8月時点で1,000兆円を超えています。2020年4月には5社の時価総額が東証一部上場2,169社の時価総額の合計を超えました。世界のITビジネスはこの5社が提供したサービスの上で展開されています。

国の経済力を総合的に示す国民一人当たりの名目国内総生産(GDP)は、2000年(平成12年)には世界で2位でしたが、2022年(令和4年)には22位にダウンしました。

10月31日に筑波大学政策研究会の勉強会に参加しました。山崎洋内閣官房参与による「人口減少と少子化対策の取り組み」の講演を聞き、日本の少子化対策は8年以内に対策を講じていかないと間に合わなくなると言われました。
その中で強調されたのが「仕事と子育ての両立です」。若い世代が子どもを持つことを「経済的リスク」(収入や生活水準が低下するおそれ)と考え、不安を抱いていることが少子化の一因となっている。今の女性は仕事か出産・育児かの二者択一を迫られている。女性が出産・育児のために仕事を断念したり、非正規雇用として少ない所得を余儀なくされたりしている現状を改めないと、少子化は止まらないと言われています。
立命館アジア太平洋大学学長の出口氏も「男女差別が激しいゆがんだ社会構造が少子化につながっている」と断言されています。少子化対策としては、男性が「子育ては女性の仕事だ。夫は手伝いだ」という認識を捨て、夫の育児休暇を当たり前とする社会をつくる必要があると強調されています。

経済面では少子高齢化と生産年齢人口(15歳~64歳)の減少が進み、さらに円安により外国人研修生の日本離れが進むことで、地方の生産力はこのままでは落ち込んでいきます。子育て支援を行い、デジタル化や脱炭素社会の構築など新しい時代の力を取り入れながら、町民の個人所得を伸ばしていかなければ、少子化と人口減少に歯止めをかけることはできません。

コロナ禍、ウクライナ紛争、異常気象、物価の高騰、格差社会の拡大など、私たちは不透明な時代に生きています。自分の価値観やこれまでのやり方にこだわっていては、新しい時代の流れを取り込み未来を創出することはできません。

困難な時代だからこそ、町の伸びしろ(可能性)を広げていくチャンスがあると思います。町民と議会と町が力を合わせて未来をつくろうではありませんか。

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