『アイヌ刺繍(ししゅう)講座 講師 其浦千秋(そのうらちあき)さん』
アイヌの伝統的な裁縫(さいほう)技術を学ぶアイヌ刺繍(ししゅう)講座での講師や、アイヌ刺しゅうを学び広めるためのサークル「イカラカラの会」の代表を務めるなど、アイヌ文化の伝承活動に尽力されています。
≪イカラカラの会【電話】55-4345≫
■アイヌ刺しゅうを始めたきっかけ
アイヌ刺しゅうは、代々伝えられてきたもので、私も母親から教わったのが始めたきっかけです。
子どものころから手芸が好きで、普段から服作りなどする中でアイヌ刺しゅうに触れていました。
■アイヌ刺しゅうについて
アイヌ文様はアイウシ、モレウ、シクなどの文様がつながってできているもので、手法や色の組み合せによって見え方が変わるなど、無限に表現できるアイヌ刺しゅうに魅力を感じています。
また、文様には魔払いの意味があるとされ、相手に悪いことが起こらないように願いを込めて刺しゅう作業をします。
■主な活動内容
▽アイヌ刺繍(ししゅう)講座
平成25年から、アイヌ刺しゅうの技術を学んでもらうために、代表的な技法であるオホ(チェーンステッチ)やイカラリ(コードステッチ)などの縫い方で、さまざまなアイヌ文様を組み合わせながら、アイヌ文様の美しさや素晴らしさを体験していただいています。
また、作品は伝統的衣料だけでなく、受講されている皆さんに親しんでもらえるよう、身近なものを取り入れ、今年は巾着やバックへの刺しゅうなども行っています。
▽その他の活動
子どもたちを対象にした刺繍教室のほか、町内にある2つの高校の授業で、アイヌ刺しゅうを通してアイヌ文化を伝えています。
また、「イカラカラ(アイヌ語で刺しゅうを縫う)の会」では、より良い作品を目指して、仲間と一緒に制作活動に励んでおり、サークルや講座などで制作した作品を公民館や博物館で展示するなど、多くの方にアイヌ刺しゅうを知ってもらう機会を提供しています。
■今後について
講座や授業、サークルなどで多くの方に自分が持っている技術を伝えることは、私にとってとても充実した時間となっています。
これからもアイヌ刺しゅうを楽しむ人が増えるように活動を続け、多くの方にアイヌ文化を伝承していきたいです。
『アイヌ刺しゅうに魅せられて』
「イカラカラの会」事務局長 菊地 恵美子(きくち えみこ)さん
平成30年に新ひだか町へ移り住み、アイヌ刺繍講座を受講したことをきっかけにその魅力に引きこまれ、今では其浦先生の助手としてアイヌ刺しゅうを教えています。其浦先生は、織布(おりふ)指導員の免許を持たれるなど裁縫の技術もすばらしく、アイヌ刺しゅうの技術を分かりやすく、丁寧に教えてくれます。また、刺繍講座などではアイヌ文化の伝統を大切にしながら参加者が楽しくできるように考えてくれます。今後も、アイヌ刺しゅうの魅力の発信やアイヌ文化の伝承活動のお手伝いをしていきたいと思います。
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