熊本市とドイツ・ハイデルベルク市は友好都市締結30周年を迎えています。
令和6(2024)年3月31日までの期間、友好都市締結30周年記念ラッピング市電が走ります。
◆これからもハイデルベルク市とともにSDGsなまちづくりに挑戦していきます!
平成4(1992)年5月、ドイツのハイデルベルク市において「平和と環境に対する共通の責任」を理念とする友好都市協定が締結されて30年が経ちました。以来、多くの分野で交流を行い、共通の課題解決のために連携してきました。本号では、これまでの取り組みや30周年記念イベントを紹介。本市はこれからも人や環境、地域に配慮したフェアトレードを推進していきます。
◇熊本市長 大西一史
ハイデルベルク市と本市は、1992年に友好都市の盟約を結び、このたび、交流30周年を迎えました。これまで、環境や医療、青少年教育等のさまざまな分野において、自治体はもとより市民・民間レベルでの交流を促進するとともに、まちづくりに関する交流や共通の都市課題の解決に向けた相互の学び合いを進めるなど、30年の歩みの中で両市における友好の絆を深めてまいりました。
ご承知のとおり、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の影響により、思うような交流がかなわない時期も経験いたしましたが、このたび5年ぶりにハイデルベルク市より代表団をお迎えし、「フェアトレードシティとして実践するSDGs」をテーマに記念シンポジウムを開催できますことを大変うれしく思います。
本市は、2011年にアジア初のフェアトレードシティとして認定され、現在、フェアトレードの啓発に取り組んでいるところであり、このシンポジウムの開催を通して、ハイデルベルク市における先進的な事例等を学ぶことで、さらなる国際貢献につなげてまいりたいと考えております。
今後とも友好都市締結30周年を迎えたハイデルベルク市の皆さまとともに、SDGsならびにフェアトレードの取り組みを進め、誰もが幸せに暮らすことができる持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。
◇ハイデルベルク市から届いたお祝いメッセージ
・ハイデルベルク市長 エッカート・ヴュルツナー氏
熊本市とハイデルベルク市の固く結ばれたパートナーシップと友情は、30年来の協力関係のもと、育まれてきました。医療、青少年教育、文化などさまざまな分野において、積極的な交流や、相互訪問を数多く行ってきました。
コロナ禍においても、オンライン交流によって、両市の友好関係を継続し、絆を深めることができました。ハイデルベルク市では、友好都市締結30周年を記念して、友好の証となる30本の桜を植樹しました。また、両市をつなぐ重要な政策として、世界的な課題である「フェアトレード」があります。ハイデルベルク市は2010年にフェアトレードシティに認定され、熊本市は2011年にアジア初のフェアトレードシティとなりました。両市は、国連の「持続可能な開発目標(SGDs)」の実施において重要な役割を果たしており、世界の約2,000のフェアトレードシティとともに、一貫してこの道を歩み続けるべきと考えています。ハイデルベルク市の具体的な取り組みとしては、市の購入ガイド「bio.regional.fair」が挙げられます。オーガニックスーパーやフェアトレード専門ショップなど、ハイデルベルク市における持続可能な消費についての情報を提供するものです。
以上のことを念頭に置きながら、私たちは一緒に創り上げたい未来について、希望を持って前向きに取り組み、ともに多くのプロジェクトを立ち上げることができると確信しています。
◇熊本市の取り組み
・出前講座を開催中
フェアトレードについて聞きたい・知りたいという方に対して、本市職員が学校、福祉施設などへ出向いてフェアトレードの概要説明や本市の取り組みについて紹介する出前講座を行っています。
※詳細は本市ホームページ「フェアトレードシティくまもと」を検索
・「フェアトレードシティくまもと2021宣言」をしました
フェアトレードシティ認定10周年を記念し、「フェアトレード国際フォーラム2021inくまもと」を2021年に開催。本市は、推進団体とともに「世界に認められるフェアトレード先進都市」をめざすことを宣言しました。
◇ハイデルベルク市の魅力
「フェアトレード以外は手に入らない品物もあるほど生活に浸透しています」
・教えてくれたのは
熊本市国際交流員 アンナザイツさん
マンハイム市で生まれ、お隣のハイデルベルク市にある大学で学ぶ。2018年夏に熊本に移住し、国際交流員として国際理解のための交流活動を行う。
環境保護先進国として知られるドイツは、世界が抱えるさまざまな問題にも真摯(しんし)に向き合っているため、市民にとってフェアトレード商品はとても身近な存在だそう。各町に専門店があるのはもちろん、スーパーにも当たり前のように置いてあり、「『わざわざ選んで買う』というより、『たまたま買ったものがそうだった』というくらい日常に浸透しています」とアンナさん。しかも「コーヒーやチョコレート、バナナなど、ジャンルによってはフェアトレード商品以外を手にすることが難しいものもある」といいますから、本市も目標にしたいところです。
また、中世の街並みが残るハイデルベルク市は、今ある宝を未来に残すためにSDGsに力を入れていることでも有名。使い捨てプラスチックの使用が法律で規制されているため、フェアトレードコットンを使ったエコバッグが活躍しています。
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