■Third Movement 第三楽章
〇バイオリンの里へ 今、歩き出す
「日本のバイオリン作りの文化を残したい」。
この思いで、今年、「バイオリンを学び・楽しみ・知る」取り組みが始まりました。
偶然が偶然を呼び、鈴木政吉の胸像が76年ぶりに大府に帰還した、大府とバイオリンの関係。これは、政吉の描いた「バイオリンの里」の概念が呼んだ必然かもしれません。
政吉がバイオリンの量産化に成功した昭和期から始まる「旋律の楽譜」には、まだ続きがあります。
「バイオリンの里」の実現に向け、大府の第三楽章が今、始まっています。
〇国内にとどまらず、世界へ
「バイオリンの里」大府の良さを発信したい
日本全国を見渡しても、これだけ積極的にバイオリン関連の企画が行われている自治体はないのではないでしょうか。野外クラシックコンサートの開催や小学校でのバイオリン授業の実施など、大府市は音楽を楽しめるまちだと思い、すごく誇りに感じました。
私は、全国・世界各地での演奏活動のほか、現在スズキ・メソードの特別講師もしていますが、みんなが必ずしも将来バイオリニストになるという目的で習っているわけではないと思っています。しかし、一つのことを学ぶ・磨く精神は、どの世界でも自分のことを高めていくために大切なことです。必ずや、他のことにも生きていきます。
私は、「バイオリンの里」大府から世界に向けて音楽を発信できるよう、チェリストの佐藤桂菜さんやピアニストの進藤実優さんなどの大府の才能豊かな若い演奏家や、国際的なアーティストも交えた音楽祭をつくり、たくさんの方々と音楽の喜びをシェアできる日を夢に描いています。
〇バイオリンの音色が響き渡る大府で、特別な時間を過ごしてほしい
学校訪問コンサートという新企画により、子どもたちの前で演奏する機会をいただき、感謝しています。母校の北山小学校では、実際にバイオリンを使った音楽教育をしたと聞きました。子どもたちが生の音や楽器に触れる機会はなかなかないので、とても貴重なことだと思います。この経験を一つのきっかけにして、自分の好きなことをどんどん見つけてほしいです。そして、いろいろなことに挑戦して、自分の能力が発揮できるような大人になってほしいと思います。
大府みどり公園で開催された野外クラシックコンサートでも、多くの皆さんの前で演奏させてもらいました。野外でのクラシック演奏は非常に珍しく、市民の皆さんがふらっと行く公園で演奏ができたことは、とてもうれしかったです。バイオリンと深い縁のある大府で、特別な時間を過ごしてもらえるよう、今後も皆さんの前で演奏し続けていきたいです。
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