◆オレンジライトアップ
認知症支援・啓発活動のシンボルカラーであるオレンジ色で、市内3カ所をライトアップします。
場所:大村公園(板敷櫓)、ボートレース大村広告塔、プラザおおむら
期間:9月1日(木)~30日(金)
◆9月21日は「世界アルツハイマーデー」
国際アルツハイマー病協会は、毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー『認知症』について考える日」、9月を「世界アルツハイマー月間」と定めています。
認知症のことや認知症の人の介護を「じぶん事」として捉え、この機会に理解を深めましょう。
■先生のおはなし
特定医療法人檜山会 中澤病院
院長 中澤和嘉 先生
認知症専門医、認知症サポート医
認知症初期集中支援チーム ※嘱託医
※認知症初期集中支援チーム
医療サービスも介護サービスも受けていない、認知症が疑われる人に対し、短期集中的に支援をするチームのこと。地域包括支援センターに設置。
▽認知症は誰もがなりうる病気
認知症は、正常に発達した脳が後天的な要因で認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障をきたした病気のことをいいます。
人間は、ある程度年齢を重ねると骨粗鬆症(こつそしょうしょう)で骨折したり、心臓病で倒れるなど病気になりやすくなります。認知症もその一つで、老化現象により脳の萎縮などから、もの忘れの症状がでてきた病気です。いわば認知症は、「長生きすれば誰もがなりうる病気」といえます。
▽早期発見と早期対応が大切
認知症も他の病気と同様に、早期発見と早期対応が大切です。少しずつもの忘れが進行していく「アルツハイマー型認知症」が一般的ですが、その他いくつもの種類があります。中には、硬膜下血腫(こうまくかけっしゅ)や正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう)といった治療で治る認知症もあります。従って、早期にきちんと診察を受けることは大事なことです。また、「アルツハイマー型認知症」などは、早期発見により進行を遅らせることができます。
▽気になったらまず相談
家族や周囲の人が「どうも、いつもと様子が違う」と感じた時こそ相談のチャンスです。できるだけ早く「かかりつけ医」または「地域包括支援センター」に相談することをお勧めします。
また、大村市には、気軽に相談できる「認知症ほっとライン事業所」が各地域にあるので、そこに相談するのもよいでしょう。
▽認知症になっても感情は残っている
認知症の人は、記憶の障害により周りのことが判断できづらくなるため、不安な状況に囲まれて生活しています。一方では、感情によるコミュニケーションは保たれていて、嬉しいこと・悲しいこと・嫌いなことなどの判断はできるのです。お世話をする人の気持ち次第で、症状が改善することも、悪化することもあります。
▽地域で見守り家族を支援
認知症の人の介護は、基本的に家族が中心となります。しかし、長期になるため、家族だけでの介護力では限界になっていきます。ご近所や民生委員・町内会にも見守りをお願いしましょう。また、地域包括支援センターに相談し、介護サービスの利用をすることで、精神的にも肉体的にも楽になります。
私たちも病気で苦しんでいる認知症の人やご家族を、暖かく見守り援助の手を差し伸べましょう。
▽生活習慣病予防でリスクを減らす
認知症予防の第一歩は、生活習慣病の予防なのです。糖尿病や高血圧症の人は認知症の発症リスクが高いというデータがあります。喫煙も同様です。重要なのは、日頃の健康管理をきちんと行い、生活習慣病にならないようにすることです。健康管理は、若い時から行うようにしましょう。
●主な認知症の種類
○アルツハイマー型認知症
認知症の原因疾患のうちでもっとも多く、約50%を占めます。記憶障害(もの忘れ)から始まる場合が多く、進行すると日時、場所、人などもわからなくなります。
○レビー小体型認知症
「レビー小体」という異常なたんぱく質が脳に蓄積することで起こります。筋肉のこわばりなどのパーキンソン症状や、実際にはいない人や虫などが見える幻視を伴います。
○脳血管性認知症
脳梗塞や脳出血などで脳の血管の一部がつまり、血液が行き渡らずに脳の神経細胞の一部が機能しなくなります。
○前頭側頭型認知症
脳の前頭葉や側頭葉を中心に障害が発生し、がまんすることや人を思いやるなどの社会性が失われます。
●「認知症」早期発見のめやす
▽もの忘れがひどい
・今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる
・同じことを何度も言う・問う・する
・しまい忘れ置き忘れが増え、いつも探し物をしている
・財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う
▽判断・理解力が衰える
・料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
・新しいことが覚えられない
・話のつじつまが合わない
・テレビ番組の内容が理解できなくなった
▽場所・時間がわからない
・約束の日時や場所を間違えるようになった
・慣れた道でも迷うことがある
▽人柄が変わる
・些細なことで怒りっぽくなった
・周りへの気遣いがなくなり頑固になった
・自分の失敗を人のせいにする
・「この頃様子がおかしい」と周囲から言われた
▽不安感が強い
・ひとりになると怖がったり寂しがったりする
・外出時、持ち物を何度も確かめる
・「頭が変になった」と本人が訴える
▽意欲がなくなる
・下着を替えず、身だしなみを構わなくなった
・趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった
・ふさぎ込んで何をするのも億劫がりいやがる
出典:公益社団法人 認知症の人と家族の会
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