文字サイズ
自治体の皆さまへ

町立金山診療所だより ほっとクリニックvol.162

10/23

山形県金山町

町立金山診療所
疼痛外来嘱託医 東郷ひろみ

■痛みについて考えたこと
私たちは小さい頃から、転んでも「泣かないでえらいね」など痛みを我慢することをほめられてきたと思いませんか。どうも我々日本人は痛みを大げさに表現しない、我慢強いことが良しとされてきた文化があるように感じます。
痛みは人体を守る危険を知らせる信号。危険を察知し、それを避けるための人体に必要で大事なメカニズムです。しかし痛みの原因を取り除いても、痛みが続いたり、なぜ痛みが起きているのかわからないことも多いです。痛みがあまりに強すぎたり、長引いたりするとかえって人体に悪影響を及ぼします。例えば痛くて血圧が上がったり、痛みのストレスで精神的に参ってしまったり、痛くて動かせないために、関節が拘縮してしまったり…。
痛みを和らげるのに役立つのが、鎮痛薬。まず使うのは消炎鎮痛薬(アスピリン、ロキソニン、セレコックスなど)で、それよりも強い痛みには、弱オピオイド系鎮痛薬(トラマドール、コデインなど)、そしてより強い場合には、強オピオイド系鎮痛薬(モルヒネ、オキシコドンなど)が用いられます。強オピオイドは癌性疼痛や死ぬ前にだけ使うというのは全くの誤解で、非癌性疼痛の患者さんも使える薬です。患者さんの痛みの程度、目的とする効果、副作用などを考えながら使うものです。ただ鎮痛薬の効果がない身体表現性疼痛もあり、痛みというものは複雑です。
薬以外にも、身体を温めたりすることや、逆に冷やすと楽になることもあります。身体を温める漢方薬が有用なこともあります。
また不思議なことに、ひどい外傷を受けた人なのに苦痛表情のない穏やかな顔をしていたり、長距離走後疲れてヘトヘトなのに笑顔でいられるランナーズハイ。これらは、いわゆる脳内麻薬と言われる内因性のモルヒネ様物質”エンドルフィン”が体内に分泌されているからと言われています。モルヒネはアヘンから抽出され、アヘンは数千年前から痛みを和らげることが知られています。痛みのある人が、医師の指導の下に使う場合、モルヒネは安全性の高い薬であり、”麻薬中毒”になることはありません。痛みがないのに多幸感を求めて使う場合に〝麻薬中毒(依存症)”が起きるのです。
痛みは複雑ではありますが、和らげる方法は多種多様あります。疼痛外来でご相談ください。

問合せ:町立金山診療所
【電話】52-2915

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒104-0061 東京都中央区銀座3-4-1 大倉別館ビル5階

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU