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しまなみ農業だより

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愛媛県上島町

■かんきつの整枝・剪定
果樹類の多くは、毎年枝を伸ばして花を咲かせて果実をつけるサイクルで1年を経過します。しかし、放っておくと樹は上へ外へと枝を伸ばして拡大し、果実は日当たりのよい樹の外周にしかつかなくなり、豊作と不作を1年ごとに繰り返すようになります。こうした樹の性質を毎年収穫できるようにするには、剪定、施肥、防除、摘果など総合的な栽培管理が必要です。今回は、休眠期から発芽前(主に3月)に行う、常緑樹であるかんきつの整枝・剪定(せんてい)の基本的な方法について解説します。

◇1 剪定に取り掛かる前に
かんきつ類が実をつけるためには、日当たりが重要です。剪定に入る前に、樹と樹の間隔が狭く密植状態の園では、樹全体に日が当たるように間伐を行ってください(図1参照)。間伐した当年は減収しますが、数年で回復します。間伐を実施した当年に限り、残存樹の剪定は控えてください。

◇2 かんきつの結果習性を理解する
かんきつの剪定で重要なことは、実(花)をつける枝はどのような枝なのか(結果習性)を理解しておくことが大切です。花の量は、樹の栄養状態と枝の種類で増減します。一般的な着花の生理は、前年発生した発育枝(花をつけなかった枝)に花がつきます。
かんきつの発芽時期を大別すると、春枝(4月)、夏枝(6月~7月)、秋枝(9月以降)と年3回発生し、(1)春枝(2)夏枝(3)秋枝の順番に着花率が高くなります。剪定時には、果梗枝(成りかす)とそうでない枝で区別できます(写真1)。発育枝は、枝を中途切りした枝(切り返し)や果梗枝から発生します。着果過多樹では、発育枝の発生数が少なく、充実が悪いため花が少なくなり、不作樹は春枝の先に夏枝、秋枝が発生した徒長枝が発生し、春には着花過多となることが予想され、隔年結果(豊作・不作を繰り返す)となります。

◇3 整枝・剪定の手順
樹形は個々で異なり、絵に描いたような樹形にあてはめるのは難しいですが、労力軽減も考えた樹形を意識して樹形づくりに努めてください。まず、幹から、等間隔にやや外向きの主枝(立枝)を3本決めます。樹高は2m(コンテナに乗って手が届く高さ)に数年かけて切り下げます(八朔やレモンは除く)。主枝から水平に亜主枝を2~3本設置します。第1亜主枝(横枝)は、腰の高さに設置し、60cm程度の間隔に第2、第3亜主枝(横枝)を作り、先端に近い亜主枝(横枝)ほど短くして主枝を中心に三角形となるように樹形を整えます。亜主枝(横枝)から側枝を出して肉付け(立体的)して、側枝に結果母枝を配置します。この骨格を作る作業が整枝です。この時に除去する枝の目安は、「図2温州みかん剪定図」を参考にしてください。ただし、常緑樹のかんきつ類にとって葉は養分供給の重要な器官なので、切除する葉は、温州みかんでは20%以内、中晩柑類は30%以内にとどめてください。大きな枝を切除した時は、他の枝の剪定は行わないか、数年かけて樹形を整えてください。着花の見極めが難しいとおっしゃる方は、整枝を3月に行い細かな側枝や結果母枝の剪定は4月中旬以降の蕾が確認できる時期から行ってください。

※詳細は本紙をご覧ください。

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